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〈婦女暴行容疑〉“ネイマールが憧れた天才ドリブラー”に禁固9年の最終判決… ロビーニョの“私生活の乱れ”に痛感する教訓
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byTakuya Sugiyama
posted2022/01/24 17:01
2011年、ミラン時代のロビーニョ。ドリブルキングとして日本だけでなく世界的にも人気だった選手だが……。
《これまで、ブラジルは世界的な選手を大勢輩出してきた。しかし、その陰で、素晴らしい才能の持ち主でありながら、私生活の乱れなどから道を踏み外した選手が少なくない。それは、家庭や学校での躾や道徳教育が十分ではなかったからだろう。
一方、日本では中学、高校などの部活動で、誰もが気軽にスポーツや文化的な活動を楽しむことができる。のみならず、これらの活動を通して、しっかりした人間教育も受ける。このシステムは、本当に素晴らしい。》
日本人にとってはごく当たり前の部活動が、外国人からはこのように見えることに驚いたのを覚えている。
天才肌の選手であっても、良き社会人でなければ
ブラジルの憲法は、ブラジル生まれのブラジル国籍保有者を外国へ引き渡すことを禁じている。このため、イタリアの司法当局はインターポールへ通達してロビーニョを世界各国で指名手配する一方で、彼がブラジル国内で刑に服するようブラジルの司法当局へ要請するようだ。
“天才ドリブラー”と呼ばれたロビーニョが才能を十分に開花させることができなかったのは、ブラジルの、そして世界のフットボールにとって大きな損失だった。のみならず、このような重大な罪を犯したことはフットボールのイメージと価値を貶めており、極めて残念だ。
今後、はたして彼が深く反省し、罪を償い、更生できるのかどうか。
天才肌の選手は、普通の人と著しく異なる発想をしたり、生活態度が独特であることが少なくない。しかし、彼らとて、良き社会人でなければならない。
ブラジル人選手に限らず、日本を含む世界各国の選手が、多くの犯罪やトラブルを起こしてきた。このような不祥事を根絶するべく、フットボール界全体が真剣に対策を練らなければならないのではないだろうか。
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