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欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
冨安健洋が現政権ベストゴールに関与も…主将オーバメヤンが「規律違反」 アーセナルが抱える“不甲斐ないベテラン問題”
text by
田嶋コウスケKosuke Tajima
photograph byDavid Price/Getty Images
posted2021/12/14 17:21
レスター戦での冨安健洋とオーバメヤン。エースは主将として引っ張る姿を見せられるのか
20代前半の輝きとは対照的に
今季のアーセナルは、サカやウーデゴール、エミール・スミスロウ、ホワイト、ガブリエウ、冨安、ラムズデールといった20代前半の若手選手が眩しい輝きを放っている。ただ、若さゆえに安定感を欠き、脆さや拙さを露呈する試合も少なくない。
本来なら、こうした時こそ経験豊富なベテランや中堅が頼りになるはずだが、むしろ彼らの元気のなさが目につく。鳴り物入りでアトレティコ・マドリーから加入した28歳MFパーティーも、ビッグマッチになると不用意なボールロストからたびたびピンチを招いている。ベテランと中堅の頼りなさは、躍動する若手たちとは非常に対照的だ。
オーバメヤンに「厳しいな」と感じた瞬間とは
オーバメヤンに関しては、筆者も「これは厳しいな」と感じる瞬間があった。
今月2日にオールド・トラフォードで行われたマンチェスター・U戦で、アーセナルは2-3の接戦の末に敗れた。試合後、選手通路口に引き上げようとする選手たちを、手を叩いて呼び止めていたのがGKラムズデールだった。アウェイゲームの応援に駆けつけてくれたサポーターに挨拶に行こう。手を大きく振り、選手たちをサポーターの下に誘導していたのだ。
23歳のイングランド人GKの掛け声に反応した選手たちはファンのいるスタンドに向かい、声援に感謝の拍手を送っていた。一方、挨拶もせずにスタスタと通路口に向かっていったのがオーバメヤンだった。決定機を外した悔しさからだろうか。ラムズデールの掛け声に振り返らず、アーセナルサポーターのいるスタンドとは逆方向にある通路口に消えていってしまった。正直、誰が主将だか分からなかった。
根は、陽気な選手だ。
2019-20シーズンのFA杯で優勝した際には、トロフィーをアクシデントで手元から滑り落として選手たちを笑わせていた。ホームでの試合後には、ゴールドに光り輝くスポーツカーで爆音と共にスタジアムを後にするのもお馴染みの光景だ。とにかく、ノリがいい。チームが勝ち続けたり、自身がゴールを量産している時は、相乗効果でチームも自身も上昇気流に乗るはずだ。