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冨安健洋が現政権ベストゴールに関与も…主将オーバメヤンが「規律違反」 アーセナルが抱える“不甲斐ないベテラン問題”
 

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田嶋コウスケ

田嶋コウスケKosuke Tajima

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photograph byDavid Price/Getty Images

posted2021/12/14 17:21

冨安健洋が現政権ベストゴールに関与も…主将オーバメヤンが「規律違反」 アーセナルが抱える“不甲斐ないベテラン問題”<Number Web> photograph by David Price/Getty Images

レスター戦での冨安健洋とオーバメヤン。エースは主将として引っ張る姿を見せられるのか

 話題の中心となったのは「規律違反」でメンバー外となった、主将のFWピエール・エメリク・オーバメヤンだ。

 アルテタ監督が「話せることは何もない」と事前に釘を刺しても、番記者たちは手を替え品を替えオーバメヤンに関する質問を繰り返した。

「キャプテンを続けるのか?」

「チームに悪影響を及ぼしたか?」

「試合前日は練習していたのか?」

「次節ウェストハム戦で起用するのか?」

 会見で繰り広げられた16の質疑応答の内、約半数が32歳のベテランFWに関するものだった。質問が出る度に、アルテタ監督は「先程も申し上げたが、何も言えない」のコメントを繰り返すばかりで、多くを語ろうとしなかった。

 サッカーメディアの『ジ・アスレティック』によると、オーバメヤンはクラブの許可を得て英国外に出ていったものの、約束の期日までに帰国しなかったという。しかも、同様の規律違反は今年3月に続いて2度目。英メディアでは、「主将剥奪の可能性」や「冬の移籍市場での放出の可能性」など様々な報道がなされている。

ベテラン勢の不甲斐なさは前々から指摘されている

 アーセナルの問題点として昨シーズンから指摘されているのが、オーバメヤンを含むベテラン勢の不甲斐なさだ。

 昨季はこのガボン代表FWを始め、ウィリアン、ダビド・ルイス、ラカゼットといった30代のベテラン勢が、総じて物足りないパフォーマンスに終始した。戦力外通告を受けた上に、今年1月に退団したメスト・エジルも当時32歳。チームを引っ張るはずのベテラン勢が、むしろ足を引っ張った。

 当然クラブ首脳陣は夏のオフに動き、ウィリアンとD・ルイスの放出を決定。ラカゼットに関しては、最近になって献身的な走りで復活の兆しを見せているのは朗報だが、オーバメヤンにいたっては一向にパフォーマンスが上がってこない。

 特に最近はゴールの匂いすら感じさせず、凡庸なパフォーマンスを繰り返している。クラブトップとなる週給30万ポンド(約4500万円)の高額なサラリーを受け取りながら、ここまでわずか4ゴールでは明らかに物足りない。そして、今回の不祥事だ。

 オーバメヤンは去年9月にアーセナルと3年の契約延長をしたが、ここからパフォーマンスが奮わない点も無視できない。「クラブと高額のサラリーで長期契約を交わした途端に、パフォーマンスが低下している。エジルとまったく同じ状況だ」(クラブOBのアラン・スミス)との指摘は正鵠を射ている。

【次ページ】 20代前半の輝きとは対照的に

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