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キーマンは南野拓実と「大一番で持ってるレジェンド」オリジ “サラーとマネ不在のリバプール1月問題”の救世主となるか
 

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三重野翔大

三重野翔大Shodai Mieno

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photograph byMarco Luzzani/Getty Images

posted2021/12/14 17:20

キーマンは南野拓実と「大一番で持ってるレジェンド」オリジ “サラーとマネ不在のリバプール1月問題”の救世主となるか<Number Web> photograph by Marco Luzzani/Getty Images

CLミラン戦で喜ぶ南野拓実とオリジ。サラーやマネ不在の1月戦線こそ、彼らの力が必要となる

 リバプールは敵地でのファーストレグを0-3で落としており、かつサラーとフィルミーノを欠く絶望的な状況。

 しかし、代わって先発出場したオリジが開始7分のゴールで反撃の口火を切ると、後半から出場したジョルジニオ・ワイナルドゥムが2ゴールを挙げて、合計スコアでバルセロナに追いつく。そして79分だ。

 コーナーキックになったところで相手守備陣の集中が切れると、陣形を整える前にトレント・アレクサンダー・アーノルドがクロスを供給。これに合わせたのが、またしてもオリジだった。

 近年では有名な、奇跡的な大逆転勝利。それを決定づけたのはオリジである。

 このシーンを表現した「CORNER TAKEN QUICKLY, ORIGI!」と書かれたTシャツがアンフィールドのショップで売られたほど、クラブの歴史の中でも印象的なモーメントである。

 彼はトッテナムとのCL決勝でも、87分に試合を決定づける2点目を挙げた。18-19シーズン、クラブ史上6個目のビッグイヤー獲得はオリジなしには語れない。

リバプール加入後40得点、80分以降がなんと「11」

 オリジは14-15シーズンのリバプール加入後、公式戦167試合に出場し計40ゴールを挙げている。このうち13ゴールが決勝弾あるいはチームを引き分けに導くゴールだ。さらに途中出場が多いことも関係し、これまで80分以降の得点を11も記録している。

 小柄なタイプが多いリバプールの攻撃陣の中では比較的体格もよく、ポストプレーなど攻撃にアクセントを加えることを期待されてきた。

 しかし本人が好むのはボールを持ったプレー。最近は左ウイングで使われることも多くなり、果敢にドリブルを仕掛けては奪われることを繰り返し、次第に評価が下がってきている。今夏他クラブからのオファーを待ったことも納得がいくほどだった。

 それでも、何かを「持ってる男」なのだ。

 途中から出場して毎試合活躍するわけではない。だんだんと感情が諦めへと変わってきた頃に突如、チームの救世主となる。まさに中毒性のある活躍でファンを虜にしてきた。

 ウルブス戦後、クロップはインタビューでこう語った。

「彼はレジェンドだ。人々が彼についての本を書いてくれるといいね」

 確かに、たった3000文字程度のコラムでは書ききれないほどのエピソードの数々である。

 リバプールでカルト的人気を集めるディボク・オリジ。幾度となく窮地のチームを救ってきた男が、1月に迎える難局もどうにかしてくれるんじゃないか――そんな淡い期待さえ抱かせるのである。<冨安編に続く>

#2に続く
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