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“8強”の陰の立役者セッター関田誠大が語る「世界に勝つための必須条件」とは? ポーランド移籍は“後輩”石川祐希の変貌ぶりが決め手
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph byItaru Chiba
posted2021/09/08 11:00
華麗なパスワークや効果的なサーブなど、29年ぶりとなる五輪ベスト8入りを支えたセッター関田誠大。海外移籍を決断し、さらなる成長を誓った
オリンピックではベスト8進出の原動力となった関田だが、ベスト8という成績についてはどう考えているのだろうか。
「もちろん悔しさもあり、それと同時に、けっこう自分たちのパフォーマンスが出せたのではないかという充実感もあります。もっと上を目指していたのに、そこに行けなかったことは悔しいですし、大事なところで勝てなかったのも悔しい。ポーランド、ブラジル戦ではセットが取れなかったし、そういったチームと力の差はあったと改めて感じています」
ポーランド、ブラジルといった世界ランキング上位チームとの差を埋めることが、日本代表の今後の課題となる。関田個人は「クイックの決定率を上げること」を課題として真っ先に挙げた。
「オリンピックでは石川、西田有志、高橋藍を中心に組み立てたんですが、その中でどうやってミドルブロッカーのクイックを使っていくかを考えていて、でもクイックを使いきれなかったという物足りなさは残りました」
アタッカーだけの課題ではない?
強豪国を相手にしたときに、クイックがブロックに止められるシーンもあったが、それはアタッカーだけの課題ではないと関田は言う。
「力のあるミドルブロッカーは、ブロックがついてきても脇を抜いたり、ブロックアウトを取ったり、プッシュしたり、いろいろなパターンで得点できます。そういう部分は対戦相手から学んでいかないといけない。それはセッターの課題でもあって、レベルの高いチームが相手だと、向こうのサーブの質も上がるので、レセプションを崩されるケースも増えてきます。そういう状況でもアタッカーがたくさんの選択肢の中から得点する手段を選べるよう、セッターの僕とアタッカーのコンビをしっかり確立しなければいけないと思っています」