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“8強”の陰の立役者セッター関田誠大が語る「世界に勝つための必須条件」とは? ポーランド移籍は“後輩”石川祐希の変貌ぶりが決め手
posted2021/09/08 11:00
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph by
Itaru Chiba
東京オリンピック2020で、バレーボール日本代表のセッターとして活躍した関田誠大が8月25日、移籍先となるポーランド・プロリーグ1部のCUPRUM LUBIN(クプルム・ルビン)に向けて旅立った。
関田は東京オリンピックで主戦セッターとしてすべての試合に出場。クイックやbickといった、コート中央からのはやい攻撃を効果的に使う配球で、日本代表を29年ぶりとなるベスト8進出に導いた。かねてより海外への移籍を希望しており、今シーズンから世界トップクラスの選手が集うポーランドでプレーすることとなった。
「海外でプレーしたいと考えるようになったのは大学(中央大)のときです。石川(祐希・ミラノ)がイタリアに行ったのを見て『俺もいつか行きたいな』という感じで……」
同じ大学で2学年後輩にあたる石川の変貌を見るうちに、最初は漠然と考えていた海外でのプレーが関田の明確な目標に変わった。
石川は2014年8月にイタリア・セリエAのモデナと契約し、大学に在学しながら海外でプレーする道を選んだ。モデナへの派遣は1シーズンに留まったが、2016年には同じくセリエAのトップバレーと契約し、続いてシエナ、パドヴァ、ミラノと現在に至るまでプロリーグで活動している。
「やはり強いチームでプレーして、その力を肌で感じることが大事なんだと石川の姿を見て思うようになりました」と、技術だけではなく、精神的にもたくましく成長した石川の姿を見て海外移籍を決意したという。
ポーランドを選んだ理由
移籍先にポーランドを選んだのは「世界最高峰のリーグでいろいろと感じてみたい」という理由から。バレーボールが国技のように愛されているポーランドの文化にも心惹かれた。
「ルビンはここまでは成績が良くないチームなので、僕が入って少しでも順位を上げられたらいいなと思っています。オポジットがコロンビア国籍の選手で、ドイツ代表のミドルブロッカーがいることくらいしか、(渡欧前の)今はまだ情報はありませんが、チームに合流してからコミュニケーションを図って、それぞれの選手の特徴を理解したいです。どの選手が攻撃の鍵を握るのか、練習をする中で見極められると思っています。何より、うまい選手が集まるリーグで、自分をどう表現できるか楽しみですね」
初めてとなる海外での生活も楽しみだと語った。