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謙虚な20歳GK谷晃生が明かす、“五輪→A代表への率直な思い”「ちょっと分かりづらくて申し訳ないんですけど…」
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byAFLO
posted2021/08/31 17:01
東京五輪で全6試合に出場した谷晃生。W杯アジア最終予選で、日本代表メンバーに初選出を果たした
日本代表に招集されるのは今回が初めてだが、日本代表というチームを間近に感じたことはある。6月に行なわれた日本代表対U-24日本代表のゲームを、谷はU-24日本代表のベンチから見つめた。
「あのとき見たものは少し驚きというか、ちょっといままで見てきたものとは違うなと肌で感じました。そういったより高いレベルでプレーできるのは、まだプレーしていないんですけど、確実に自分の成長につながると感じています」
最終予選のゴールマウスに立つ準備を進めてきた
3カ月ほど前にレベルの差を見せつけられたチームに、谷は飛び込んでいく。意欲はあるが、気負いはない。遠慮も気後れもない。等身大のスタンスで、川島、権田とGKのグループを形成する。
「(ふたりとは)一緒に練習をしたことがないので正直分からないというか、GKは試合だけ見てもなかなかすべては分からないところがあります。でも確実に言えるのは、たくさんのことを経験して、色々な厳しさを知っている方々だと思うので、そういうものを目で見て感じて、自分のものにしていければと思っています。もちろんやるからには、ポジションを取るということもまたひとつの目標だと思いますし、選ばれたからには試合に出ることを目標にしてやっていかなければいけないなと思っています」
日本代表の最終ラインを形成する吉田麻也、冨安、酒井宏樹、さらにはダブルボランチの一角を担う遠藤航とは、東京五輪でともにプレーした。左サイドバックでの起用が想定される中山も、U-24世代のチームメイトである。守備陣とはコンビネーションとコミュニケーションが、すでにはかられているのだ。前向きな思いを謙虚に語る20歳は、はからずも、最終予選のゴールマウスに立つ準備を進めてきたのである。
8月29日のJ1リーグ第27節では、好調の浦和を相手にクリーンシートを記録した。5月9日の大分戦以来、11試合ぶりの無失点である。
流れは、いい。