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中田翔「無期限出場停止」が《9日で解除》の説明なし…「球界の番人」コミッショナーは何をしているのか?<ファンのモヤモヤが…> 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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posted2021/08/29 11:02

中田翔「無期限出場停止」が《9日で解除》の説明なし…「球界の番人」コミッショナーは何をしているのか?<ファンのモヤモヤが…><Number Web> photograph by Sankei Shimbun

巨人に移籍し、すぐにチームに馴染んだように見える中田翔

 本来ならばコミッショナーがそういうことをきちっと行わなければならない立場にあり、だからこそコミッショナーは「球界の番人」と言われてきた。

 しかし現実的には斉藤惇コミッショナーが過去にそういう働きをするところを見たことはない。実際に今回の中田の問題でも主体的に調査や処分の妥当性を検討したり、この問題について発言したことは1度もないのが現実だ。

Jリーグではチェアマンが事態の収拾に乗り出す

 過去にも就任4カ月後の2018年3月に、一部の中日ファンが広島との試合中に「原爆落ちろ」などと不適切なヤジを飛ばす動画が拡散する事件があった。そのときもコミッショナーが事態の重大性をしっかりと発信し、厳しい姿勢を示すことなく、球界としては広島球団が「悪質なケースは退場を命じることがある」と注意喚起をして終わったことがあった。

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 同じようなケースでJリーグでは、2014年に浦和レッズの試合でファンが差別的な横断幕を掲げた事件があった。この時にはJリーグ村井満チェアマンが事態の収拾に乗り出し謝罪会見を行い、浦和レッズに1試合の無観客試合を科す処分を行っている。野球界とサッカー界のトップとして、組織内で起こった問題に対する当事者意識の差の大きさがクローズアップされた事例でもあった。

 Jリーグでは試合に関する違反行為は規律委員会が、それ以外の違反行為に関してはチェアマンが調査、審議し、懲罰を決定すると規約の133条、134条で決まっている。またその解除についても同様に規律委員会かチェアマンが是非について審議、決定すると規定されている。

「無期限出場停止」を9日で解除した理由は?

 それに比べて野球界には機構が必ず第3者的な立場で違反問題を調査し、処分を決定し、解除するという規定はない。ただ唯一、その権限を持っているのはコミッショナーだが、そのコミッショナーにそういう問題意識がなかなか見えないのである。

【次ページ】 プロ野球そのものへのファンの不信の原因に

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