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21歳田中希実、19歳三浦龍司、20歳廣中璃梨佳…なぜ東京五輪で“陸上界のZ世代”は躍進できたのか?
text by
酒井政人Masato Sakai
photograph byGetty Images
posted2021/08/25 11:03
メダルラッシュに沸いた東京五輪。陸上競技に注目すると、Z世代の活躍が光っていた
3年後も三浦が22歳、廣中が23歳、田中が24歳という年齢だ。成長著しい時期に、世界でこれだけの“実戦”を積んできた日本人選手はほとんどいない。東京五輪では、「メダル」を狙うだけの実力はなかったが、彼らの成長率を考えるとパリ五輪での“快挙”は十分に期待できる。
日本の陸上界には“逸材”が他にもいる
さらに世界陸連のセバスチャン・コー会長は、「この施設(国立競技場)を使い、人々が見損ねたものをお目にかけたい」と東京で世界選手権を開催する意向を示している。パリ五輪の翌年(2025年)には東京世界選手権が行われるかもしれない。そうなれば高いモチベーションを維持したまま、2025年まで突っ走ることができるだろう。
パリ五輪・東京世界選手権という“ビッグイヤー”に向けて、日本勢の近未来は明るい。
今回、メダルを獲得した競歩勢を筆頭に、男子走り幅跳びの橋岡優輝、女子マラソンの一山麻緒。それから男子110mハードルでは決勝に0秒03秒届かなかったが、6月の日本選手権で今季世界3位の13秒06を叩き出した21歳の泉谷駿介(順大)ら「メダル」を狙える逸材は他にもいる。
逆風のなかで行われた東京五輪には様々なドラマがあった。1年延期で活躍のチャンスを逃したアスリートもいるだけに、今回の東京五輪が日本陸上界にとってターニングポイントになることを期待したい。