オリンピックへの道BACK NUMBER
“9秒台が4人でハイレベル”と言われた陸上短距離勢は東京五輪に何を感じたか 「世界に置いていかれている感じがしました」
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byRyosuke Mouju/JMPA
posted2021/08/07 17:50
メダルが期待された男子4×100mリレーでは、一走、二走間でバトンミスが発生し、まさかの途中棄権となった
「世界と離されていることが結果でも残っている」
そして100mの結果がリレーにまったく影響がなかったとは言いがたい。予選では安全なバトンパスを心がけたと言っても、ぎりぎりの決勝進出であったことはリスクをとらざるを得なくなった要因だろう。
桐生はこう語っている。
「世界と、リレーでも、個人でも、離されているということが、記録でも結果でも残っています。それを受け止めて個人を変えていかないといけないと思います。日本の国旗をこの舞台で掲げたかったですが、今回かなわなかったです。こういう結果になったのは誰も悪くないし、予選で僕がもっと速く走って、多田や山縣さんに心の余裕があれば、結果も違ったと思います。思ったような結果ではなかったので、帰ってきたいと思います」
近年のタイム向上に見られた、個々のレベルアップした姿を100mでも、そしてその集約であるリレーでも見せられなかった。
次こそ、結果で示すために、明日へ目を向けている。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。