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<侍ジャパン>どうする“4番・鈴木誠也ノーヒット問題”…「打ち待ちっていうのは通用しないと思う」(金子コーチ)
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byMasaki Fujioka/JMPA
posted2021/08/01 12:10
2戦を終え、いまだヒットが出ていない4番・鈴木誠也。稲葉監督はノックアウトステージに向け、何らかの決断を下すのだろうか
「勝てればそれでいいので、次はいいところで打ちたいなと思います。周りが凄い選手ばかりなので、僕が打たなくても、周りの選手が打ってカバーしてもらえたりするので。そういった面では気持ちは楽ですけど……」
メキシコ戦後にはこう語っていた鈴木だが、もちろん「4番」の責任を重く受け止めているのは確かなはずだ。オープニングラウンドでは山田、坂本の1、2番コンビが当たっていることから下位打線でチャンスを作り、この1、2番がポイントゲッターとなって得点を上げてきた。
しかしノックアウトステージに入れば、中軸打線の奮起は不可欠で、特に4番のバットにかかる比重はこれまで2試合とは大きく違ってくるはずだ。
次の戦いで稲葉監督に求められる決断
それでも鈴木を4番に置き続けるのか。それとも鈴木の打順を下げて、好調な1、2番を起点にしても中軸で確実に得点チャンスを広げられる打線を模索するのか。そこが次の戦いで稲葉監督に求められる決断となる。
「こういうところに入って急に良くなるということはないと思うんですけど、すごく我慢して、何とか自分を抑えながらしっかり振りにはいっていると思います。まあ1つのきっかけだと思うんですけど、自分が見極めたと思ったものがストライクだったり、そういう状態はまだ続いているのかなと言う感じですね」
こう鈴木の状態を分析したのは金子誠ヘッド兼打撃コーチだ。
「ただ1、2番が繋がっていて、状態のいい打者に1番多く打席が回ってきている。そこを簡単に離していいのかというのはある。プレミアでも全試合で打順が変わったように、つながりも大事だけど選手が一番バッティングをしやすい打順を常に考えています」
もちろんノックアウトステージに入れば、選手たちのギアももう一段上がり、メンタル的にも違ってくる可能性もある。鈴木の打者としての1つの特長は対応力の高さでもあるだけに、それをきっかけにバッティングが一変するかもしれない。
ただ、その一方でこの短期決戦の中で期待だけで鈴木に「4番を」任せ続けるには、限界が近づいてきているのもまぎれもない事実だ。
それではどう対処するのか。