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“韓国の握手拒否騒動”をかばったNZの苦労人エースは“侮れない日本キラー” 4年連続プレミア2ケタ得点の決定力〈五輪サッカー〉 

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三重野翔大

三重野翔大Shodai Mieno

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2021/07/31 06:01

“韓国の握手拒否騒動”をかばったNZの苦労人エースは“侮れない日本キラー” 4年連続プレミア2ケタ得点の決定力〈五輪サッカー〉<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

2017年親善試合のクリス・ウッドvs吉田麻也。再び彼にゴールを許してはならない

「彼は指導では教えられないものを持っている。適切なタイミングで適切な場所にいることだ。優れたストライカーには皆、その能力が備わっている」

6年連続でチームのトップスコアラーという事実

 ゴール前での適切なポジショニング、得点への嗅覚、ストライカーとしてのセンスがあるからこその、プレミアリーグ4年連続2桁ゴールである。そして上述の通り、リーズ時代から数えて6年連続でチームのトップスコアラーに君臨している。こんなことができるニュージーランドの選手は、他にいない。

 オールブラックスのユニフォーム姿でも遜色ないほどの体躯。しかしウッドは白のユニフォームを選んだ。

 昨年4月、ウッドは『スカイ・スポーツ』のインタビューで

 「(ラグビーとサッカーの)両方をやっていたよ。ラグビーは学校でしかしていなかったけど。サッカーをやっているといじめられるからね」

 と少年時代を振り返った。驚きのニュージーランドのお国柄は、思わずイングランド人のインタビュアーが「サッカーをやってて(いじめられるの)?」と聞き返してしまうほど。

 国内で圧倒的人気を誇るラグビーやクリケットではなく、初恋のサッカーを貫いたウッドは今や世界最高峰のリーグでゴールを量産するストライカーだ。

 そして母国を代表して2010年の南アフリカW杯に出場。現在は東京五輪にオーバーエイジとして出場し、悲願のメダル獲得に挑戦している。メダルに近づくか否か、運命の一戦の相手は日本だ。

実は日本、親善試合で3ゴールを奪われている

 日本にとっては非常に厄介な存在となる。2014年と2017年に行われた国際親善試合では計3ゴールをウッドに許しており、その頃からストライカーとしての動きにさらに磨きをかけているのだ。

 代表戦はもちろんプレミアリーグでの対戦経験もあり、互いをよく知る吉田麻也は、フィジカルコンタクトやゴール前の駆け引きなどで、これまで以上に激しい戦いを強いられるだろう。

 難敵ぞろいのグループAを3連勝で突破し、ベスト8の相手は地力の差で大きく上回るニュージーランド。国内メディアやファンが楽観ムードになるのも無理はない。しかし、そんな状況をひとりで打破しうる恐ろしい存在がいることを忘れてはならない。

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