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“韓国の握手拒否騒動”をかばったNZの苦労人エースは“侮れない日本キラー” 4年連続プレミア2ケタ得点の決定力〈五輪サッカー〉
text by
三重野翔大Shodai Mieno
photograph byTakuya Sugiyama
posted2021/07/31 06:01
2017年親善試合のクリス・ウッドvs吉田麻也。再び彼にゴールを許してはならない
昨季プレミアでハットトリックを達成している
加入年の17-18シーズン以降、4シーズン連続でチームのトップスコアラーに輝いており、バーンリーで積み重ねたゴール数は50に上る。昨季ウォルバーハンプトン戦ではニュージーランド人史上初、そしてプレミアリーグ史上46カ国目の選手となるハットトリックを記録した。
長くウェストハムでプレーするウィンストン・リード、PSVのライアン・トーマスら欧州でプレーする選手は多くいるが、現在のニュージーランド代表で孤高の存在であるといっても過言ではない。
そんなウッドも現在29歳。本格開花を迎えるまで長い道のりを歩んできた。
17歳でのプロデビュー、そこからの停滞
ウッドがシニアデビューを果たしたのは14歳の頃。生まれのオークランドから少し離れた田舎町、ケンブリッジのクラブで国内3部相当のリーグ戦に出場した。この頃にはすでに身長が180cm近くもあり、大人に混じってプレーすることに何ら問題はなかったという。
話題と大きなインパクトを残した少年は瞬く間に国内の注目を集めた。上位カテゴリーのクラブにステップアップを果たすと、ハミルトン・ワンダラーズで運命的な出会いを果たす。
ハミルトンのコーチであるロジャー・ウィルキンソンだ。イングランドのウェスト・ブロムウィッチ(WBA)でアカデミーコーチ経験を持つ彼は、いち早くウッドの才能を見出した。
国内の若手有望株として注目されはじめた2007年には、U-17W杯のニュージーランド代表に選出。そして大会を経てプロになりたいと強く自覚したウッドに、ウィルキンソンは古巣WBAアカデミーのトライアル参加を勧めるのである。
晴れて合格したウッドはアカデミーでも着実に実績を残し、ウィルキンソンの期待に応えてみせた。そして2009年4月、敵地のポーツマス戦でニュージーランド人史上5人目となるプレミアリーグデビュー。あの元イングランド代表ソル・キャンベルと対峙した。
17歳でのプロデビューと、輝かしい未来を予感させる道のり。しかしここからウッドは、停滞の歳月を過ごすことになる。