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中村俊輔が今も愛されるセルティックは“J1仕様の超攻撃型”に? 天敵→師弟のポステコグルー監督と古橋亨梧が2大キーマン
text by
三重野翔大Shodai Mieno
photograph byGetty Images
posted2021/07/24 11:00
ポステコグルー監督と古橋亨梧。J1屈指の指揮官とアタッカーがスコットランドの名門再建にどんな力を見せてくれるか
俊輔からティアニーへの“プレゼント”
2006年、セルティックのジュニアチームに所属していたティアニーは、セルティック・パークでのトレーニングセッションに参加していた。
「中村が練習に来ることは誰も何も知らなかった」
サプライズでトレーニングに参加した中村は、その日のベストプレーヤーにティアニーを選び、その日履いていたスパイクをプレゼント。一瞬何が起きたのか分からなかったが、10歳の少年は次第に状況を理解してあどけない表情を見せた。
父親お手製のガラスケースに飾られた中村のスパイクは、少年時代の宝物だ。
その2年後には初めて観戦したオールドファームで、自身のアイドルがスーパーゴールを決めた。そんな衝撃の体験が、憧れが、プロになりたいという気持ちに拍車をかけたことは間違いない。
セルティックのトップチームに上り詰めたのち、22歳でアーセナルに移籍。あらゆるシステム変更にも対応し、今やミケル・アルテタにとって欠かせない存在だ。
2016年にはスコットランド代表デビューも果たし、先日のEURO2020では母国観衆の大声援を背にプレーした。
スコットランドのスタープレーヤーに上り詰めたティアニー。彼もまた、あの頃の中村のように、プロを志す少年たちのアイドルなのである。
宿敵レンジャーズに奪われたタイトルを
話題を今季のセルティックに戻そう。改革を図るアンジェ・セルティックは7月21日、UCL予選2次ラウンドのミッティラン戦から21-22シーズンが始まる。
相手は昨季デンマーク国内リーグ2位の実力者。仮に勝っても次はPSVとガラタサライの勝者と、厳しい戦いが続く。
そしてもうひとつ忘れてはいけないのは、リーグタイトル奪還だ。
打倒レンジャーズ。セルティックにとってリーグ創設から131年間、一度も揺らぐことのないライバル関係だ。