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Jをめぐる冒険BACK NUMBER
堂安律「点を取るべきやつらが、取ること。それに尽きる」頼れる金メダル宣言…初戦で“4年前の再現ゴール”を
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byGetty Images
posted2021/07/17 06:01
2017年U-20W杯の初戦、南アフリカ戦で決勝ゴールを挙げた堂安律。東京五輪でも勝利に導くゴールを誓う
小学生時代にはセレッソ大阪アカデミーの入団テストに落選している。ガンバ大阪ユースから飛び級でプロ契約を結んだあとも、すぐにトップチームで活躍できたわけではなく、J3を戦うU-23チームが主戦場だった。
「僕もガンバ時代に高2でデビューしたりして、エリートって思われがちなんですけど、いろいろな壁があって、それに反発して、反抗して、反骨心を持ちながらここまでやって来た。海外に行ってからも、PSV時代はすごく苦しかった。
でも、周りから『あいつ、ダメだな』と言われてから、這い上がれるタイプなので。すごくいいタイミングで、PSVで悪い時期が来たな、と思っています」
厳しいことも言葉にしたコロンビア戦
U-24ガーナ代表とジャマイカ代表と対戦した6月シリーズは、堂安にとって19年11月のU-22コロンビア戦以来となる五輪代表合流だった。
コロンビア戦では連係不足を露呈したばかりか、ボールの奪い合いや戦う姿勢においても相手に劣り、ホームで0-2の完敗を喫した。
「チーム全体がボールを受けるのを怖がっているシーンが多かったし、球際でも負けすぎている。誰かがやってくれるだろうとか、そんな風に見えた」
試合後、苦言を呈した堂安だったが、約1年半ぶりのチームには成熟を感じたという。
「コロンビア戦で危機感を抱いたのは確かです。あえて、というか、伝えなくてはいけないと思ったので、厳しいことも言いました。でも、あれから1年半が経ち、チームの成熟度がすごく高まっている。コミュニケーションの量も増えましたし、オーバーエイジの選手たちがサポートしてくれたこともあって、みんながお互いの特徴を引き出しながら、チームのコンセプトを体現できるようになってきたと思います」
一方で、堂安自身もオーバーエイジから学ぶものがあった。
「1年半前はA代表を経験している者として、言わなければならない責任があると思ったんですけど、自分は声の掛け方において、力不足でしたね。それはオーバーエイジの3人と接して痛感しました。(吉田)麻也くん、(遠藤)航くんはキャプテンシーの塊で、言葉に力がある。(酒井)宏樹くんはキャプテンという感じではないんですけど、『好きにやっていいよ』っていう感じで、包み込んでくれる優しさがある。オーバーエイジの人たちにチームの引っ張り方をすごく学ばせてもらいました」