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「日本人対決は“負けないぞ”って気合が入るから」 奥川雅也が語るドイツ1部挑戦、堂安律との共闘、代表への野心〈ビーレフェルト完全移籍〉
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byAtsushi Iio
posted2021/07/27 11:04
インタビューに応じてくれた奥川雅也。語る言葉に手応えと未来への意欲を感じさせた
拓実くんから「森保さんは雅也のことを見ているぞ」って
――南野拓実選手も、「雅也は今後必ず入ってくる」といったコメントをしていました。
「拓実くんはザルツにいたとき、代表から戻ってくると必ず『森保さんは雅也のことを見ているぞ』って教えてくれて。それが励みになったし、『頑張らな』っていう気持ちにもなった。代表に呼ばれたときも、『やっと一緒にできるな』と連絡してくれて。僕もまた一緒にプレーすることを目標にしているので、頑張りたいと思います」
――同級生の鎌田大地選手が日本代表の中心となり、同じく同級生の中山雄太選手、三好康児選手、板倉滉選手は東京五輪に出場します。奥川選手にとっても次の1年は代表入りの足掛かりとしなければいけない?
「その通りだと思います。だから、日本代表を視野に入れながら、チームを慎重に選びたいと思っていて(※7月26日にビーレフェルトへの完全移籍が正式に発表された)。所属チームで結果を出すのはもちろん、日本代表に入るために、ということを強く意識して、次のシーズンはやりたいと思っています」
――今、日本代表に選ばれていないからといって、選ばれている選手たちに負けているつもりもないわけですよね?
「一切ないですね」
――堂安選手、遠藤渓太選手(ウニオン・ベルリン)など、ヨーロッパでプレーする年下の選手が増えて来ました。どう感じていますか?
「僕自身、19歳のときにヨーロッパに来たので、もっと来たほうがいいと思います。同じリーグに日本人選手が増えると報道される量も増えますし、日本人対決は僕自身も、負けないぞ、って気合が入るから、もっともっと来てもらって、切磋琢磨したいですね。日本人選手の評価が上がれば、僕自身の評価にも繋がりますから」
――新シーズンはどんなシーズンにしたいですか?
「前のシーズンはザルツで難しい時期を過ごして、試合に出ることに目線を向けて、チームのためのプレーに徹することが多かったんです。今年もチームのために動きますけど、それ以上に、もっと貪欲に自分のプレーをしていきたいと思っています。今年はそういうところにもっとチャレンジしたいなって」
「裏の仕事」とともに、得点もできれば
――あとはゴールですよね。19-20シーズンはせっかく9ゴールまでいったのに、20-21シーズンのリーグ戦は1ゴールにとどまってしまった。
「そうですね。ただ、ビーレフェルトは僕の裏の仕事もしっかり評価してくれていて」
――裏の仕事というのは?
「ゴール前の仕事だけじゃなくて、後ろに戻ってくる運動量も評価してくれる。ビーレフェルトに限らず、ブンデスリーガ全体がそうした働きを評価してくれるんです。点は取れなかったですけど、『評価している』と監督からも毎試合言われましたし。そこで、さらに得点もできれば、道がもっと拡がっていくと思うので、新シーズンは思い切ってチャレンジしたいですね」