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史上初のJ1、ACL“2冠”へ 川崎・鬼木監督が「90分(体力を)持たせる必要はないから」と選手に指示するワケ
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byGetty Images
posted2021/06/25 11:03
ベンチで小林悠(左)と脇坂泰斗(右)に指示を出す鬼木監督。選手交代は「感覚的なところでいつも決めている」と語る
「選手たちからはACLを獲りたいっていう思いを感じています」
フロンターレはJリーグの戦いを一度離れて、アジアチャンピオンズリーグ(ACL)の期間に入る。グループステージのI組はウズベキスタンで開催され、川崎は北京FC(中国)、ユナイテッド・シティFC(フィリピン)、大邱FC(韓国)と計6試合(6月26日~7月11日)をこなす。
目指すのはまだJリーグ勢が成し遂げていないJ1、ACLの両制覇だ。
「選手たちからはACLを獲りたいっていう思いを感じています。外国のチームと戦える場はなかなかないし、選手を成長させていくうえではこういう舞台が(ポテンシャルを)引き上げてくれると思っています。ただし、経験して良かったでは終わらせたくない。結果を出しながら経験したい。Jリーグも東京オリンピックが終わったら、アウェーで連戦になっていきます。ここでも結果を出していければ、一段二段高いところにチームを持っていける。大変にはなりますけど、そこを凄いパワーでJリーグもACLも乗り切っていきたいと考えています」
普段の鬼木達は、隙がない堅物の感じは一切ない。
どことなくホワッとしていて物腰も柔らかく、自分のことを話すのが苦手な人である。
隙がありそうなのだが、サッカーになると隙は見せない。
破れない、敗れない。つよいぞ、つよいぞ。
記録尽くめの優勝も、最速100勝も、まだまだ「鬼の伝説」の序章に過ぎない。