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湘南のロッカールーム映像がすごい。
怒鳴り合いでもカメラを止めるな!
posted2019/04/08 07:00
text by
杉園昌之Masayuki Sugizono
photograph by
SHONAN BELLMARE
今シーズンのリーグ戦が開幕し、少し経った頃のこと。湘南ベルマーレに鹿島アントラーズのある選手から注文の連絡が入った。
「(2018年の)イヤーDVDを買いたいのですが、まだ在庫ありますか?」
メッセージの主は永木亮太だ。'10年から'15年まで湘南に在籍し、かつては自らもシリーズ作品に出演していた1人。'18年シーズンを振り返るドキュメンタリー『NONSTOP FOOTBALLの真実 第5章』の噂を聞きつけ、旧知のスタッフへ連絡してきたという。
「すごいらしいですね」
どうやら、いまJリーガーの間でも話題になっているようだ。
声を荒げる選手、ギリギリの映像。
DVDには試合のハイライト、選手のインタビューだけでなく、ありのままのロッカールームの映像が収録されている。いまの時代、舞台裏にカメラが入ること自体は特別に珍しくないかもしれない。ただ、その中身はハードワークが代名詞となっている湘南のスタイル同様、かなり激しい。
映像の編集に関わっている遠藤さちえ広報は「ギリギリのラインまで使っている」と明かす。その許容範囲が湘南の場合、とにかく広い。
昨季のシーズン中盤、敵地で清水エスパルスに敗れて3連敗を喫した後のロッカールームを見てもらえば、よく分かる。試合後、選手が引き揚げてきた控え室には重苦しい雰囲気が漂っていた。ピンと張り詰めた空気は画面越しにも伝わってくる。そんななか、ロッカーにどしんと腰かけたベテランのGK秋元陽太が、せきを切ったように厳しい口調で1学年上の梅崎司へ追求を始めた。
「全然やってねえのに切れんじゃねえよ! 攻撃だけやって取られて守備しねえで、それで切れてんじゃねえ」
ロッカーでペットボトルを投げつけて怒りをにじませていた梅崎も黙ってはいない。声を荒げて言い返す。
「やってるよ!」
守備の仕方について、激しい口論が繰り広げられる。それでも、カメラは止まらない。