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東京五輪日本代表、捕手・會澤翼の辞退がかなりの“痛手”であるワケ…北京五輪では星野監督の“猛抗議”で失敗した「審判問題」
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byAFLO
posted2021/06/18 12:20
2019年のプレミア12で優勝を決め、リリーフエースの山崎と抱き合う捕手・會澤
會澤「細かいことはまだ試合が残っているので話せない」
台湾で行われたオープニングラウンドから稲葉監督はこの3人を併用して先発で起用。しかし日本で行われたスーパーラウンドのメキシコ戦と決勝の韓国戦の最後の2試合は、いずれも會澤に先発マスクを被らせている。
結果的に日本はメキシコを3対1、韓国を10対8で下して優勝を果たすことになったが、その決勝戦後、會澤がなぜ先発に抜擢されたのか、その理由が納得できる話を本人から聞くことができた。
実は大会に入ってから、會澤の取材をすると「細かいことはまだ試合が残っているので話せないんです」と口を濁す場面が何度もあった。
そこで決勝戦後に改めて「もう試合もないから」とその話せない話とはいったい何だったのかを聞きに行った。
そこで會澤が語ったことだ。
「審判ですね。そこの特徴というか、どうやってリスペクトしていくかということ。そこがこの大会でずっと考えたところでした」
こう語り出したのだ。
国際大会では、相手チームとの戦いとともに、どうアンパイアを味方につけるかも、勝負の大きなポイントになると言われている。
北京五輪では審判から“目の敵”に
そのことを思い知らされたのは2008年の北京五輪だった。