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5年前のEUROヒーローは今<ベテラン編> 優勝ポルトガルのエデルは33歳でロシア、ペッレは“年俸18億円で中国移籍”のち36歳で…
text by
三重野翔大Shodai Mieno
photograph byTakuya Sugiyama/Getty Images
posted2021/06/17 17:05
EURO2016で名を上げたエデルとペッレ。5年後の今はどんな感じ?
ロシアの地でタイトル獲得に貢献
まずはEURO2016の少し前にさかのぼる。2015年夏にプレミアリーグのスウォンジーへと移籍したエデルは、15-16シーズンの前半戦で先発出場がわずか2回にとどまるなど苦しみ、冬にフランスのリールに移籍した。
それまで降格圏を彷徨っていたチームの攻撃を活性化すると、13試合で6ゴールを挙げる活躍を見せ、そのシーズンの5位フィニッシュに大きく貢献。そしてその夏、彼は一躍時の人となった。
16-17シーズンからは4年契約の完全移籍という形でリールでプレーしたが、公式戦37試合で7ゴールという結果に終わり、翌シーズンはじめにロシアのロコモティフへと貸し出された。
ローン1年目にリーグ優勝を果たすと、そのまま完全移籍し20-21シーズンまでロシアでプレーしている。18-19シーズンと20-21シーズンのカップ戦優勝にも貢献した。
今季はヒョードル・スモロフやフランソワ・カマノが主力として戦ったこともあり、リーグ戦20試合出場のうち先発は12。ロコモティフとの契約は6月末までで、今夏にチームを去ることは確実だろう。
現在33歳のエデルにはブライトンが関心を寄せていると報じられている。彼にとってEURO2016ファイナルの決勝ゴールが最大の功績になることは間違いないだろうが、キャリア晩年でもう一花咲かせられるだろうか。
“ナゾPK”で悪目立ちしたザザ、そしてペッレ
準々決勝のドイツvsイタリアは、PK戦の末にドイツが勝利した。PKを外したグラツィアーノ・ペッレは、同じく挑発的なPKで失敗したシモーネ・ザザとともに酷評されたが、EURO2016を経て名が売れた選手といって間違いないだろう。
セリエAでの成功体験がなく、オランダやイングランドのクラブを渡り歩いた彼の過去。そして29歳でのイタリア代表デビュー。特殊なキャリアに、ハリウッド俳優のような容姿や美人なハンガリー人のガールフレンドの存在も相まって、プレミア中堅のサウサンプトンの選手でありながらペッレの名前は広く知られた。
有名になった理由はバックグラウンドだけではない。