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5年前のEUROヒーローは今<ベテラン編> 優勝ポルトガルのエデルは33歳でロシア、ペッレは“年俸18億円で中国移籍”のち36歳で…
posted2021/06/17 17:05
text by
三重野翔大Shodai Mieno
photograph by
Takuya Sugiyama/Getty Images
5年前、サン・ドニで主役になったのは開催国のエースでもなく、世界最高のフットボーラーでもなかった。
スタッド・ドゥ・フランスで行われたEURO2016ファイナル。世界最高のストライカーを擁するポルトガルと、観客の盛大な後押しを受けるフランスの試合は、たった1つのゴールで決着がついた。
109分、ローラン・コシェルニーのチェックを振りほどき、ペナルティエリア外側から半ば強引にミドルシュートを放った男こそ、エデルことエデルジト・アントニオ・マセド・ロペス。
観客の喝采を浴びると思われていたアントワン・グリーズマンは沈黙し、クリスティアーノ・ロナウドは25分に無念の負傷交代。痛めた左足を引きずったまま監督さながら、テクニカルエリアいっぱいに動き回ってピッチに指示を送り続けた。
代表通算3ゴールの男が一躍英雄に
ポルトガルに初優勝をもたらし、母国のヒーローとなったエデル。この選手、それまでポルトガル代表として28試合で3ゴールしか挙げておらず、スウォンジーではほとんど出場機会を得ていなかったこともあり、国内でも代表入りに疑念が湧いていた。
それがたったひとつのゴールで英雄扱いへと様変わりするのだ。やはりフットボールには夢がある。
5月20日にEURO2020に挑むポルトガル代表メンバーが発表されたが、そこにエデルの名前はなかった。
ジョアン・フェリックス、ベルナルド・シウバ、ディオゴ・ジョタら前線の若い選手が台頭している。ナニやリカルド・クアレスマらベテラン中心だった前回大会から、順調に世代交代が進みつつある証だ。
では5年前のヒーローは今、どこにいるのだろうか。