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女子サッカー“国内公式戦がない”? 「100%五輪のため」田中美南27歳が“短期の海外移籍”を選んだワケ
posted2021/06/17 17:01
text by
了戒美子Yoshiko Ryokai
photograph by
Getty Images
東京五輪にむけたメンバー選考マッチが男女ともに終了した。
なでしこジャパンは、ウクライナに8−0、メキシコに5−1で勝利。2戦2ゴールの田中美南は「今やれることは100パーセント出せた」と胸を張った。あとは、18日15時のメンバー発表を待つだけだ。
今年初の公式戦が「五輪初戦」という選手も……
昨季の日本の国内リーグが終了してから、女子選手たちは少々難しい状況に置かれている。今年9月に日本初の女子プロサッカーリーグ・WEリーグが開幕するが、そのWEリーグに参加するクラブに所属する選手たちは公式戦をできずにいるのだ。
現在行われているなでしこリーグ(1部・2部)からは計9チームがWEリーグへ合流することになっているが、今回のウクライナ戦、メキシコ戦を含む6月の合宿に呼ばれた国内組は、いずれも参入を予定しているチーム(浦和、INAC神戸、大宮、日テレ・ベレーザ、新潟)に所属している。東京五輪に向けて最終調整をしなくてはならなかった彼女たちが、新リーグへの移行期で勝負の場を失っている状態だ。つまり、2021年最初の公式戦が、7月21日の五輪初戦カナダ戦という選手も出てくることになる。
五輪のために「短期の海外移籍」を選んだ
田中は、欧州の20-21シーズン後半戦のみINACからレンタル移籍し、ドイツ1部レバークーゼンでプレー。初めての海外移籍、しかも短期。動機に五輪は何割くらい含まれていたのだろうか。
「100%です。W杯が終わってからこの2年間、特に意識してきました。五輪に選ばれるかつ、活躍するために考えて行動してきたので。五輪のために移籍してきました」
答えは、気持ちの良いほど明快だった。