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プレミア「ビッグ4」の“ローン移籍組”今季の出来を振り返ってみた 保有元に復帰→来季のブレイク候補は?
text by
三重野翔大Shodai Mieno
photograph byGetty Images
posted2021/06/05 11:00
ユナイテッドのリンガードはイングランド代表でもある。彼らのような選手が新たなスターダムに上り詰めるか
★ブレイク候補:ジェシー・リンガード★
そうなると必然的にリンガードの再ブレイクに期待せざるを得ない。今冬のウェストハム加入後、16試合で9ゴール5アシストと大爆発。終盤までCL出場権争いを繰り広げたチームで、攻撃の舵取り役を担った。彼の起用法についてデイビッド・モイーズはこう語る。
「ジェシーは左でも、右でも10番としてもプレーできる。イングランド代表では8番としてプレーしたこともある。そして必要な時には、フォルス9としてでもプレーすることができるんだ」
オーレ・グンナー・スールシャール就任当初のように、“偽9番”としてのタスクをこなしたリンガード。現在のユナイテッドには同じタイプの選手がいないだけに、スールシャールにとっては戦術のオプションとして大きな価値がある選手だ。
南野もローン移籍組となっているリバプールは?
負傷者続出の危機と戦いながら、リーグ3位という成績を残したリバプール。シーズン途中にサウサンプトンへローン移籍した南野拓実含め、13選手が他クラブでプレーした。
マルコ・グルイッチはポルトで公式戦39試合に、ハリー・ウィルソンは2部カーディフで公式戦38試合に出場。そもそも今季のローン先の選択にも疑問が残る両者は、まずまずのパフォーマンスだった。
しかし今夏の補強資金捻出と人員整理を兼ねて、両者ともに売りに出されると報じられている。アカデミー出身で、昨季ボーンマスでプレミアの舞台を経験しているウィルソンですらチャンスは与えられなさそうだ。
★ブレイク候補:ハービー・エリオット★
今夏の補強のメインターゲットはイブラヒマ・コナテを獲得したセンターバックと、ジョルジニオ・ワイナルドゥムが抜ける中盤とされている。場合によってはフロント3は手つかずのまま来季を迎えることになるかもしれない。
そこで長らく依存してきた3人に代わる新世代のオプションとして、2部で圧巻のプレーを見せたエリオットを推したい。フルアムに所属していた18-19シーズンに、16歳30日でプレミアリーグ史上最年少デビューを果たした神童だ。
左利きの右ウイング、サラーの再来となるか
昨季はリーグ戦わずか6分の出場に終わったが、出場機会を求めてローン加入したブラックバーンで、その才能を開花させつつある。
今季はリーグ戦41試合に出場し7ゴール11アシスト。繊細なボールタッチとスピードを生かしたドリブルとキープ力、そして左足からの正確なキックが特徴の選手だ。時折中央や逆サイドに動き、チャンスメイクとフィニッシュの両面で目立つことができる。