欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
プレミア「ビッグ4」の“ローン移籍組”今季の出来を振り返ってみた 保有元に復帰→来季のブレイク候補は?
text by
三重野翔大Shodai Mieno
photograph byGetty Images
posted2021/06/05 11:00
ユナイテッドのリンガードはイングランド代表でもある。彼らのような選手が新たなスターダムに上り詰めるか
左利きの右ウイングであることに加え、そのガッチリした体つきと上背からモハメド・サラーを彷彿とさせる18歳には大きな役割が与えられるのではないだろうか。
今季のエースのフル稼働っぷりを見るに、彼を休ませられる選手が必要だ。仮にウィルソンを売るつもりなのであれば、なおのことエリオットにチャンスが回ってくる可能性が高まるはずだ。
青田買い→ローンの文化があるチェルシー
9年ぶり2度目のCL制覇を果たしたチェルシーは、「青田買い→ローンの文化」が色濃く根付くクラブ。今季は33選手が他クラブでプレーしている。その中にはダニー・ドリンクウォーター(カスムパシャ)やマルコ・ファンヒンケル(PSV)らブルーズでの将来がほとんどない選手も含まれるが。
来季のスカッドに復帰しうる中堅選手は、大ケガからの復活としてはまずまずのシーズンを送ったアカデミー出身のルーベン・ロフタス・チークくらいだ。序盤戦でアストンビラの快進撃の一翼を担ったロス・バークリーでも、今の欧州王者の中盤に割って入ることはできいだろう。
冬にミランにローン移籍したフィカヨ・トモリは17試合で7つのクリーンシートに貢献するなど大車輪の活躍だったため、買取オプションの行使が濃厚とされている。
★ブレイク候補:イーサン・アンパドゥ★
かねてから逸材と目されていたアンパドゥは、そろそろブルーズでプレーするための準備が整ってきているようだ。
今季シェフィールド・Uにローン移籍したウェールズ代表の20歳はリーグ戦25試合に出場。チーム2位のシュートブロック数(19回)、チームトップのインターセプト数(49回)を記録した。
ブレイズでは主に3バックでの出場機会を得たが、シーズン中盤にはボランチやアンカーとしてプレーし、かねてから評価されていた万能性をトップカテゴリーで示した。まさにトゥヘル・チェルシーにはうってつけの人材だ。
ウェールズで出場するEUROでも期待大
中盤でプレーしているウェールズ代表では、今夏にEURO 2020に出場する。
そしてブルーズに戻ればチアゴ・シウバという偉大なCBがおり、エンゴロ・カンテという世界最強の“潰し屋”がいる。欧州を獲った、世界最高のプレーを肌で感じられるのだ。
現在20歳。すぐさまブレイクとまでは言わない。最高のロールモデルに学び、更なる成長を遂げた先に、本人が待ちに待ったチェルシーでの未来が待っているはずだ。