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プレミア「ビッグ4」の“ローン移籍組”今季の出来を振り返ってみた 保有元に復帰→来季のブレイク候補は?
posted2021/06/05 11:00
text by
三重野翔大Shodai Mieno
photograph by
Getty Images
若くしてメガクラブへ移籍することの是非は、たびたび議論となる。
世界で最もレベルが高く、最も熾烈なレギュラー争いを強いられるクラブで、ポジションを勝ち取ることは容易ではない。同世代には既にクラブの文化を理解し、トップチームの御眼鏡に適ったアカデミー出身の選手らもいる。
実際フィル・フォデン(マンチェスター・C)、カーティス・ジョーンズ(リバプール)、メイソン・マウント(チェルシー)らメガクラブで出場機会を得ている若い選手は、その多くがアカデミー出身だ。
一方でマウントのようにローン移籍を経て、他のクラブで経験を積んだことでトップチームでブレイクできた選手もいる。
即戦力ではないが将来の活躍が見込める選手を、少しレベルの下がるクラブでプレーさせる。トップレベルでもプレーできると判断したら、チームに戻す。欧州のメガクラブがワールドクラスを育てるための常套手段だ。
今季も各国のクラブに、大きなポテンシャルを秘めたヤングプレーヤーたちが武者修行に出た。来季のチャンピオンズリーグ出場権をもつ、プレミアリーグのトップ4クラブからローン移籍した選手の活躍を振り返り、来季のブレイク候補をみていくとしよう。
シティは食野、板倉の保有権を持っているが
まずは2季ぶりにプレミアリーグのタイトルを獲得したマンチェスター・C。なんといっても圧倒的な層の厚さがあり、トップチームでは出場機会が得られないと判断された16の選手たちが各地にローンで移籍している。
そのなかにはリオ・アベの食野亮太郎やフローニンゲンの板倉滉も含まれるが、2人の日本人が来季スカイブルーのシャツに袖を通す可能性はほとんどないとみていいだろう。
3季連続でリーズにローン移籍したジャック・ハリソンは、昇格組の快進撃の一端を担った。スピードを生かした裏への抜け出しとドリブルを武器に加えて、マルセロ・ビエルサに信頼されるほどの戦術理解度も含めて、ペップに適した選手だ。