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グループLINEでスタメン落ちを知らされ…「3番・梶谷隆幸」実現までの舞台裏 巨人軍監督室で原監督とサシで話したこととは
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byKYODO
posted2021/04/15 11:20
14日中日戦の3回、2ランホームランを放った巨人の3番・梶谷
実際に梶谷が構想通りの1番を打ったのは開幕から4月6日の阪神戦までの10試合だけ。その後はコロナ禍による選手の離脱もあって、2番を1試合、3番を3試合任された。ただその間もスランプの沼から脱出できなかったばかりか、むしろどんどん深刻化していっているようにも見えた。
その結果が11日の広島戦での6番降格だったのである。
打順を下げて負担を軽減しようというのが首脳陣の意図だったはずだ。しかし効果は見られなかった。この試合では打線が久々に12安打9得点と爆発。ようやくワースト記録にストップをかけたのだが、梶谷だけは蚊帳の外の5打数無安打に終わっている。
この時点で今季成績は59打数9安打の打率1割5分3厘。規定打席到達選手の中では最下位となっていた。
スランプの沼から脱出できない梶谷を3番に起用
そんな中で突然、原監督は移動日を挟んだ13日の中日戦で、梶谷を3番に起用したのである。
独特の直感?
それとも何か理由があったのか……。
「実は……」
その裏側を明らかにしたのは、原監督自身だった。
「あの試合(中日戦)で、最初は梶谷を先発から外すはずだったんです」
前日夜にグループLINEでスタメンを告知
巨人には首脳陣と一軍選手全員が参加するグループLINEがある。試合前日の夜には、このLINEを通じて翌日の先発オーダーが選手にも伝えられている。これは翌日の自分の役割を知ることで、選手が早めに準備ができるようにという配慮で、原監督が3度目の復帰を果たした2019年から始まったシステムだった。
そしていつも通りに12日の夜には、翌13日のスターティングオーダーがLINEを通じて選手にも告知されていた。