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グループLINEでスタメン落ちを知らされ…「3番・梶谷隆幸」実現までの舞台裏 巨人軍監督室で原監督とサシで話したこととは
posted2021/04/15 11:20
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
KYODO
何とかやりくりをして凌いでいる。
開幕から続く巨人の打撃不振。ただでさえ打てない試合が続く中で丸佳浩外野手、ゼラス・ウィーラー内野手ら主力を含む4選手の新型コロナウイルス感染での戦線離脱が追い討ちをかけた。
「こんなに打てないのは初めてだよ。3点を取るのに四苦八苦しているんだから」
原辰徳監督から、珍しくこんな“グチ”が飛び出すのも分からなくもない。
開幕2戦目の3月27日のDeNA戦で10得点したのを最後に、翌28日の同カードから4月10日の広島戦までチームワーストの12試合連続3得点以下の試合が続いた。
原監督の選手起用で、どうしても不可解だったこと
投手陣の踏ん張りで何とか2位はキープ(14日試合終了時点)しているものの、チーム打率は中日とデッドヒートを演じながらかろうじてのリーグ5位。相手投手と選手の状態を見ながら、あるときはベテランの亀井善行外野手を5番で使い、またあるときはシーズン直前の緊急トレードで獲得した廣岡大志内野手を1番に、走り屋の増田大輝内野手を8番で先発に抜擢した。
そうして日替わりオーダーを組みながら、耐えて凌いできているのが、ここまでの巨人の戦いだった。
例によって原監督の采配力で、勝率5割からずるずると後退せずに踏ん張ってきたとも言える内容である。ただ、そんな原監督の選手起用で、どうしても不可解だったことがある。
4月13日の中日戦で梶谷隆幸外野手を「3番」に据えた先発オーダーを組んだことだった。
もちろん普通の状態なら、梶谷の名前が3番にあることは決して不思議ではない。ただ、そこまでの梶谷は、開幕直後から深い打撃不振の沼にハマって、一向に脱出の気配が見えていなかったのだ。