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南野拓実は日韓戦で輝くはず リバプール時代に潜めていた“タキらしさ”+進化の過程とは【英国でも高評価】
text by
田嶋コウスケKosuke Tajima
photograph byGetty Images
posted2021/03/25 06:02
リバプールで潜めていた“らしさ”をサウサンプトンで取り戻した南野拓実。日韓戦でも輝くか
ゴール前に滑り込み、ラストパスを呼び込むフリーランは、すでに貴重な攻撃のアクセントになっている。またマーフィーの言葉通り、自軍がボール保持した時に左サイドから中央に絞る動きも、攻撃の厚みをもたらすことにつながっている。アタックが単調になりがちなサウサンプトンの中で、“タキ”の愛称で呼ばれる日本代表アタッカーの特性は光っている。
ただし、課題もある。
前出のシュウォーツァーは「守備面ではまだ努力が必要。また90分を通して、もっとチームに貢献する必要がある」と述べ、「ディフェンスと継続性」が今後の課題になると指摘。また、マーフィーも、ブライトン戦の南野について「後半はほとんど存在感がなかった。65分の早い時間帯での交代もやむを得ない」と語っていた。
中盤のパスワークに密接に関わりながら、ポジショニングを含めた守備でも貢献する。そして、90分間を通して存在感を示し続けることが、ステップアップのための条件となりそうだ。
進化の過程にある南野を目撃できるはず
南野は日本代表の3月シリーズに招集され、英国を離れた。
リバプールで出場機会の少なかった昨年10月、11月の代表戦に比べると、今回の3月シリーズでは試合勘とコンディションが大きく上向いている。なにより、昨年は出場機会に恵まれなかっただけに、南野としては貪欲に試合に出場したい時期だろう。
リバプールではレギュラー陣の壁に苦しんだが、トレーニングから得られるものは大きかった。サウサンプトン移籍後は、プレミアリーグの実戦経験を重ねることで日々成長を感じている。
韓国との強化試合、そしてモンゴルとのW杯アジア2次予選をこなす今回の代表戦で、進化の過程にある南野を目撃できるはずだ。