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内川聖一「なんで、ない事ばかり書かれるのかは正直…」 ホークス退団→ヤクルト加入の経緯を明るく語った理由
text by
花田雪Kiyomu Hanada
photograph byNaoya Sanuki/JIJI PRESS
posted2021/03/26 11:04
ソフトバンクからヤクルトに移っても、内川聖一の打撃技術は光り輝くはずだ
ヤクルト入団後、覚悟はさらに強固になっているのでは
プロ野球選手である以上、一軍での出場機会を求めるのは当然のことだ。激動の2020年を過ごし、ホークスというチームの状況、自身の立ち位置を俯瞰して見たことで、内川は「退団」という決断を下した。
1年越しで再び内川の口から飛び出した「まだまだ、やれる」という言葉からは、一度目に聞いた時よりも一層の覚悟と、意地のようなものが透けて見えた。
ヤクルト入団が決まった後も内川と対面する機会があったが、その自信と覚悟は、さらに強固になっているように思えた。
「自分がこれまで培ってきた技術やノウハウは、積み重ねてきたものなのでもちろん大切にしています。でも、現状を維持するのではなく、新しい感覚、新しいチャレンジも続けている。これは、今年に限ったことではなく、毎年の事です」
どんな状況に置かれても慢心することなく、つねに上だけを見続けてやってきた。
18歳でプロ入りしてからの10年間を横浜ベイスターズ(現横浜DeNAベイスターズ)で過ごし、次の10年間はホークスで過ごした。節目のプロ20年目を終え、迎える21年目。プロキャリア3球団目となるヤクルトで、内川聖一の新シーズンは始まる。
開幕前のオープン戦では13試合に出場し、29打数9安打、打率.310をマーク。新天地でもそのバットコントロールは健在で、自身2年ぶりの開幕スタメンの座も現実味を帯びている。
「まだまだ、やれる」
1年間、胸に秘め続けた思いをバットに込め、内川聖一、第三のプロ野球人生が幕を開ける――。
(取材協力/WHITE BOARD SPORTS)
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