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内川聖一「なんで、ない事ばかり書かれるのかは正直…」 ホークス退団→ヤクルト加入の経緯を明るく語った理由
posted2021/03/26 11:04
text by
花田雪Kiyomu Hanada
photograph by
Naoya Sanuki/JIJI PRESS
まだまだ、やれる――。
内川聖一の口から、この言葉を聞いたのは二度目だった。
一度目は、2019年のオフ。
この年、内川はシーズン137試合に出場し、打率.256、12本塁打、41打点を記録していた。
数字自体は決して満足いくものではなかったが、ケガに苦しんだ過去2年間とは違い、シーズン通して一軍に在籍して3年ぶりの規定打席到達。また、一塁手としてはパ・リーグ史上初の守備率10割を記録し、プロ19年目にして自身初となるゴールデングラブ賞にも輝いた。
チームもレギュラーシーズンこそ2年連続2位に終わっていたが、クライマックスシリーズ、日本シリーズを勝ち進み、3年連続の日本一。
「レギュラー争いも厳しくなると思うんですけど」
翌2020年を見据え、東京でトレーニングをしていた内川だったが、ちょうどその頃、チームは東京ヤクルトスワローズを自由契約になったウラディミール・バレンティンの獲得を発表。分厚い選手層を誇る福岡ソフトバンクホークスに、また1人、強力な右打者が加入してもいた。
「もちろん、成績には納得していません。ただ、久しぶりに1年間チームの戦力として戦えたし、オフも順調にトレーニングを積めている。打撃についても、新しいことをいろいろと試しながら、手ごたえを掴めています。来年はレギュラー争いもさらに厳しくなると思うんですけど、まだまだやれると思っているし、楽しみな気持ちもあるんですよね」
トレーニングの合間に話を聞いた内川の表情からは、確かな自信が溢れていた。
この時は、まさか2020年という1年間が、「あんなこと」になるなど、内川自身も想像することはできなかっただろう。