ゴルフPRESSBACK NUMBER
開幕戦を諸見里しのぶが“解説” 逆転V小祝さくらの「有言実行」と渋野日向子の男子プロからの“学び”とは
text by
NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph byAtsushi Tomura/Getty Images
posted2021/03/10 06:00
国内女子ツアー開幕戦「ダイキンオーキッドレディスゴルフトーナメント」で逆転優勝を飾った小祝さくら(22)。今年は「賞金女王」を目指す
1年半ぶりのトーナメント参戦
開幕戦は私にとっても2019年11月の「エリエールレディス」以来、約1年半ぶりの実戦となりました。当然、緊張はありましたが、地元・沖縄のみなさんから「頑張って」や「楽しみにしているよ」という声援をいただけて、心強かったですし、すごく幸せな1週間でしたね。
思っていたよりも良いコンディションで大会を迎えることができましたが、苦しんだのは「ジャッジ」の部分。試合が始まれば自ずと気合いが入りますから、飛距離も伸びて、コースマネジメントだって変わってくる。また琉球ゴルフ倶楽部特有の横からの風も、アゲンストなのか、フォローなのか、プレー選択を迷う場面がありました。
そこをどうやって技術でカバーするのか、そういった実戦でのイメージの部分が足りていなかった。もっと良いスコアを残したかったのが本音です(+11、102位タイで予選落ち)。小学生の頃から続けるゴルフですが、改めて「心・技・体」が求められる競技なのだと教えられました(笑)。
また、久しぶりに競技に参加して感じたのは、毎日のようにゴルフと向き合っている選手たちの凄さです。プロなので当たり前かもしれませんが、一度ツアーから離れた立場から見ると、選手たちはすごく過酷な環境に身を置いていると痛感しました。体調面の管理、体のケア、練習やトレーニング、さらにはコースマネジメントやベストな状態で臨むためのメンタルコントロール……そこに少しでも隙が生まれたら優勝できないほど、拮抗した争いがあるのです。
ここから38試合と長いシーズンが始まりますが、そんな選手たちの努力や一瞬の輝きを逃さないように、しっかりと皆さんに伝えていけたらと思います。
昨季も最終戦まで白熱した国内女子ツアー、今季はそれ以上に面白い試合が続くのではないかとワクワクしています。それを確信できる開幕戦でした。
諸見里しのぶShinobu Moromizato
1986年7月16日、沖縄県出身。ダイキン工業所属。2005年7月にプロテストに合格し、わずか出場3試合で翌年のシード権を得ると、06年SANKYOレディースオープンでツアー初優勝。翌年には日本女子オープンで国内メジャーを獲得した。09年にはメジャー2勝を含む、年間6勝を挙げ、同時にJLPGAメジャー3冠を達成。通算9勝。ツアーからの撤退を表明した19年シーズン終了以降は、トーナメントのコースセッティングに関わりながら、解説者としても活躍の場を広げている。