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開幕戦を諸見里しのぶが“解説” 逆転V小祝さくらの「有言実行」と渋野日向子の男子プロからの“学び”とは 

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photograph byAtsushi Tomura/Getty Images

posted2021/03/10 06:00

開幕戦を諸見里しのぶが“解説”  逆転V小祝さくらの「有言実行」と渋野日向子の男子プロからの“学び”とは<Number Web> photograph by Atsushi Tomura/Getty Images

国内女子ツアー開幕戦「ダイキンオーキッドレディスゴルフトーナメント」で逆転優勝を飾った小祝さくら(22)。今年は「賞金女王」を目指す

“有言実行”を予感させる開幕戦

 何といっても首位と1打差の2位タイで迎えた14番のバーディパット。あのグリーンは手前から速いのでなかなか打ち切れない状況だったと思いますが、そこを強く打ってしっかり沈めました。本人は「本当にラッキーだった」と言っていましたが、16番でも難しいパーパットを決めるなど、優勝を手繰り寄せたのは彼女自身の力だったと思います。

 最終18番で優勝を決めた1mのバーディパットだって、下りのラインで、決して簡単ではありませんでした。それでも、ルーティンを崩さず、いつも通りにスッと打っていましたよね。昨年にツアー1勝、メジャー大会でも優勝争いに加わったことで自信もついてきているのでしょう。昨シーズンに比べても、体が強くなり、スイングもパワーアップしていましたが、精神的にも逞しくなったと感じました。

 大会前から「複数優勝と賞金女王を獲る」と力強く宣言した上での開幕戦優勝。今シーズンの注目すべき選手の1人なのは間違いありません。新型コロナウイルスの影響により、昨年の試合数が大幅に減ったことで、賞金ランキングは20年シーズンと統合されています。4位につけていた小祝プロはこれで原英莉花プロを抜いて、笹生優花プロ、古江彩佳プロに次ぐ3位に浮上しました。この先も彼女たちとどんな争いをするか楽しみですね。

同い年の上田桃子は「リズムが良い」

 そんな小祝プロを祝福したのが同じ辻村明志コーチに指導を受ける上田桃子プロ。「雨の中、風もありましたし、とにかく頑張ろうとしないように、普段通りのことをやれればそんなに打たないかなと思ってました」と振り返ったように、ベテランらしい落ち着きあるゴルフを見せてくれました(-11、4位タイ)。

 昨シーズンも上位に食い込む試合は多かったですが、今季はさらにスイングの安定感、リズムの良さが増しています。構えてから打つまでのリズム、スイングのリズム、それがどんな状況でも変わらないんです。風が強くても、レインウエアを着ていても、乱れないのは強い選手の証拠。

 同い年だからこそわかることなのですが、女性は年齢に応じて体の調整が難しくなってくるもの。それでも開幕戦であれだけの安定感を見せられるのはさすがだなと思いました。相変わらず、勝負所をしっかり攻めていましたし、もともと春先に強いイメージもありますから、前半戦の優勝争いにどれだけ食い込んでくるのかは見どころの1つです。

【次ページ】 攻めた19歳西郷真央「堂々としている」

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