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【トップリーグ開幕】野澤武史が「過去最大級の豪華メンツ」から選ぶ注目の10人…23年W杯に期待する選手は?
text by
多羅正崇Masataka Tara
photograph byGetty Images
posted2021/02/19 11:01
野澤氏が「もう一度見てほしい」と話すリーチ マイケル。チームに活力を与えるディフェンスに注目だ
拝みながら見たい世界最高の司令塔
ボーデン・バレット(サントリーサンゴリアス/スタンドオフ)
世界最高の司令塔がトップリーグに来ました。年齢的にピークを過ぎた選手ではなく、29歳という最高に脂の乗った鮮度最高の選手です。サントリーさんに感謝しつつ、拝みながら見たいです(笑)。
彼は司令塔にして走りきれる選手。これはフランカーからしたら最悪です。最近ラグビーを見るようになった人からすれば、ボールを持ったときの華やかさに注目してほしいですし、玄人の方にはアンストラクチャー(乱れた局面)で彼がどんな動きをするか、どこを視ているか、などなど勉強になる選手です。
松田力也(パナソニック ワイルドナイツ/スタンドオフ)
23年W杯日本代表の正スタンドオフ候補でしょう。まず自分で仕掛けられるところが魅力的です。帝京大学時代はボールをもらう位置が深かった印象ですが、立ち位置を変えることでディフェンスにプレッシャーを掛けられるスタンドオフになったと感じます。そしてパス、キック、ラン――すべてのスキルを持っている。次のW杯へ向けた日本代表という視点において、彼を外すことはできない。ぜひ注目したいです。
中野将伍(サントリーサンゴリアス/センター)
破壊的な攻撃力を持つ、いわゆる「問答無用系」です。彼を最初に見たのは16歳のとき。九州U17代表を選ぶブロックトレセンで見たのですが、1人だけ大人が混じっていると思ったら17歳ですらなかった(笑)。
早大が19年度に日本一になった時の原動力は彼だったと思っています。中野がいた試合、いなかった試合で勝敗が分かれていた印象です。何と言ってもフィジカルのレベルが違う。センターだけでなくウイングができることもあり、今シーズンは絶対に「来る」と思っています。
今季はスタートダッシュが肝心
あらためてリーグ全体の展望ですが、今年は1カ月の開幕延期により大会フォーマットが変更され、どの試合も取りこぼせない大会になりました。大会日程も詰まっており、休みの週がほとんどない。最初からベストメンバーを出して突っ走っていく大会になりました。
各チームはスタートダッシュでチームに勢いをもたらすことが必須です。負けから学んでチームを立て直すことがより難しくなったという点で、準備力がより求められるでしょう。トライ&エラーというより、良い準備をしているチームが「最後のトップリーグ」を制するのではと見ています。