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【トップリーグ開幕】野澤武史が「過去最大級の豪華メンツ」から選ぶ注目の10人…23年W杯に期待する選手は?
text by
多羅正崇Masataka Tara
photograph byGetty Images
posted2021/02/19 11:01
野澤氏が「もう一度見てほしい」と話すリーチ マイケル。チームに活力を与えるディフェンスに注目だ
神戸製鋼に“韓国の均ちゃん”
張碩煥(チャン・ソクファン、神戸製鋼コベルコスティーラーズ/ロック)
張は本当に見てほしいですね。ブロディ・レタリック(ニュージーランド代表)が注目されがちですが、張はコンタクト局面のスペシャリスト。タイトなところで本当に身体を張る。いわば“韓国の均ちゃん“(大野均/元東芝)です。スペースに走り込むキャリーも素晴らしい。韓国代表経験があるため日本代表にはなれませんが、一見の価値アリです。
クワッガ・スミス(ヤマハ発動機ジュビロ/フランカー)
スピード抜群で、守備範囲が広い。現代のフランカーはエッジ(エリア両端)でナンバーエイトのようなボールキャリー能力も必要とされますが、彼はパスをしてサポートして自分でも走りきってタックルしてボールを奪って――という、カバー不可能な守備範囲、運動量を要求されていた“古き良きフランカー”の匂いがします。
そもそも彼は身長180センチと小柄。南アフリカの180センチは日本の170センチ程度に相当するでしょう。そんな彼が南アフリカ代表で6キャップを持っていること自体、普通に考えてあり得ないこと。ぜひユース世代のフランカーは彼をお手本にしてほしいですね。
もう一度リーチを見てほしい
リーチ マイケル(東芝ブレイブルーパス/No.8、フランカー)
今回トップリーグを初めて観る人もいれば、マニアの方もいると思いますが、すべての人にもう一度リーチを見てほしい。見る人に「彼がいたからこそ日本代表は19年W杯でベスト8にいった」と感じさせる立ち振る舞いをするのがリーチです。彼は選手たちに迷いが生じた時、チームがどちらへ進めば良いかをプレーで示すことができる。困った時に「これをやればいいんだ」と周囲に伝えられる選手は本当に貴重です。
そんな彼のプレーで特筆すべきはディフェンスでしょう。ディフェンスは疲れ切っている状態でも自分からアクセルを踏んで、ディフェンスができる場所まで行かなければならない。一回なら誰でもできますが、リーチはしんどい状態でそれをやり切る。年齢では後輩ですが、私にとっても彼は心から尊敬できる選手です。