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【トップリーグ開幕】野澤武史が「過去最大級の豪華メンツ」から選ぶ注目の10人…23年W杯に期待する選手は?
posted2021/02/19 11:01
text by
多羅正崇Masataka Tara
photograph by
Getty Images
過去最大級の豪華なメンツだ。列島を沸騰させた2019年W杯日本代表、泣く子も黙る世界的ビッグネーム、23年W杯出場を狙う次世代スター達……。2月20日に開幕する18年目のラグビー国内最高峰「トップリーグ」は、新リーグ移行前のラストシーズンとなるが、花道を飾るにふさわしい役者が並んだ。
今季の成績は3部制となる新リーグでのチーム振り分けに影響してくる。また23年W杯出場をめざす選手にとっては稀少なアピールの場だ。チームも選手個人も全身全霊で臨むであろう“ラスト・トップリーグ”で、専門家はどの選手に着目するのか。
慶大で主将を務め、神戸製鋼ではフランカーとして7年間プレーした元日本代表の野澤武史氏。日本協会リソースコーチで、U17代表ヘッドコーチの経験もある41歳はタレント発掘を専門とする“目利き”だ。長年にわたり毎年5月から約2カ月半は全国9ブロックのトレセンを回り、ダイヤの原石に目を光らせてきた。才能発掘にこだわりを持つ現場主義者に、今季トップリーグの注目選手を10人挙げてもらった。
“モバイル性”に優れたプロップ
三浦昌悟(トヨタ自動車ヴェルブリッツ/プロップ)
2019年W杯でFW第1列、いわゆるフロントロー(プロップとフッカー)の重要性を再認識した方も多いと思います。日本代表の長谷川慎コーチのスクラムが話題になるなど「フロントローなくしてW杯なし」といっても過言ではありませんでした。
日本代表のジェイミー・ジョセフHCのラグビーにおいて、プロップはスクラムの強さだけではなくモバイル性も求められていると思います。
もちろん19年日本代表でパナソニックの稲垣啓太は健在ですが、「モバイルに動けてスクラムを組める背番号1番のプロップは誰か」という時、まず思いつく選手はトヨタ自動車の三浦です。秋田工業高の頃から見ていますが、本当に運動量豊富です。トップリーグでFWコーチをしている友人に「相手にしたら怖いプロップは?」と訊ねたら彼の名前を挙げていました。とても魅力的な「次世代型のフロントロー」で、23年W杯を狙える選手です。
具智元(Honda HEAT/プロップ)
スクラムの強さで選ばせてもらいました。19年W杯でアイルランド代表からペナルティを奪ったスクラムは感動しました。もし19年W杯の「グループリーグ(1次リーグ)ベスト15」があれば絶対に具が3番で選ばれていたと思います。まだ26歳なのでこれからの成長も楽しみです。もちろん23年W杯の日本代表候補でしょう。
「その具にかわる3番は誰か」となった時、私はサントリーサンゴリアスの須藤元樹を挙げたいですね。これまで畠山健介、垣永真之介らがおり出場機会はそれほど多くなかったかもしれませんが、3番としてはスクラムが一番“エグい”のではと思っています。