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「ダーク・ノビツキーか金丸晃輔か」元NBA選手も称賛するシーホース三河のエースの“異能”
text by
山田智子Tomoko Yamada
photograph byB.LEAGUE
posted2021/02/06 11:00
西地区首位のチームを牽引する金丸。日本人トップの1試合平均17.3得点をはじめ、FG成功率49.5%、3P成功率48.7%、FT成功率89.3%と好成績をマーク
「今シーズンは僕のためのフォーメーションが結構あります。どれくらいだろ?去年が5割6割だったとしたら、今年は7割8割くらい。僕のところにヘルプが2、3人来る場合はスクリナーがダイブしたりすればノーマークになるし、それ以外の場面は僕が打つってことを他の人も理解してくれているので、結構な確率で打てていますね」
相手チームのマークも年々厳しくなっている中、「ラグビー」のようなボディコンタクトを受けても戦えるよう、フィジカル強化にも取り組んできた。鈴木HCも「今季は体幹が昨シーズンとは全く違います。それがプレーの安定感につながっている」と評価する。
「体幹というよりは下半身を鍛えています。今シーズンは1ゲーム戦い続けられるような身体作りをしているので、食事の面もそうですし、体脂肪を落として筋肉量をアップさせる取り組みもしています。もちろんそれもプラスにはなっていると思うんですけど、一番は3Pを打つという意識付けの方が(好調の)要因になっていると思います」と金丸はあくまでメンタルの変化の方が重要だと繰り返す。
苦悩の2年を経て、立ち返ったシューターの原点
3Pシュートへの意識に変化が生まれたのは、昨季の終盤のことだった。
「(2019-20)シーズン当初はキレイなバスケットをしよう、チームプレーを優先しようという意識が強すぎて、自分のパフォーマンスが出せずにもがいていました。年末頃から、3Pシュートを積極的に狙うことに集中してからは自分自身の調子が上がってきました」
シューターとしての原点に立ち返った金丸は、そこから圧巻のパフォーマンスを見せる。20年2月17日の宇都宮ブレックス戦で“ゾーン”に入り、3Pシュートを7本すべて沈めると、最終戦となった3月15日の横浜ビー・コルセアーズ戦では、リーグタイ記録となる11本の3Pシュートを成功させ、キャリアハイの45得点をマークした。
「3Pシュートを狙うことがチームの勝利につながる」。そう確信を得た金丸に迷いはなかった。
「できれば(1試合)10本は打ちたいですけど、入らない日はなかなか難しいですね。今日(1月31日秋田ノーザンハピネッツ戦)はダメダメでしたけど、8本打ったというところだけは唯一評価したいと思います」