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<バロンドールに代わって開催>世界139人のジャーナリストが選んだ「史上最強チーム」ベストイレブンは誰?
text by
田村修一Shuichi Tamura
photograph byJMPA
posted2021/01/31 17:01
最優秀選手賞のバロンドールに代わって企画された“ドリームチーム”。世界139人の投票によって誰が選ばれたのか?
<特別公開>日本人記者のベストイレブンは?
ちなみに筆者の投票は表の通り<ポジション別の投票をすべて見る(https://number.bunshun.jp/articles/photo/846784?pn=4)>である。ドリームチームはこうなる。
GKヤシン、右SBジャウマ・サントス、CBベッケンバウアー、左SBジャチント・ファッケッティ、守備的MFまたはリンクマンがジジとマテウス、攻撃的MFペレ、マラドーナ、右FWメッシ、CFクライフ、左FWクリスティアーノ・ロナウド。
実際に選ばれた11人とは7人が重なり4人(ジャウマ・サントス、ファッケッティ、ジジ、クライフ)が異なった。重なりが多いのか少ないのかは、読者の判断に任せたい。
時代によって全く違う「サッカー」という競技
サッカーのプレーとサッカーを取り巻く環境は、1950~60年代と今日ではまったく違う。日韓W杯が開催された20年前と今とでも違う。70年代や80年代の選手ですら今日のフィジカルと運動量、スピードとテンポについていけないだろうし、ましてや50~60年代の選手には異次元のサッカー、別の競技と言っても差し支えない。
逆に今日の選手は、水を含むと形が歪んで重くなるボールや、デコボコなうえに雨が降ると田んぼのようにぬかるむピッチ(ヨーロッパですらそうだった)、革のスパイクには違和感しか覚えないだろう。今日では一発退場はもちろんのこと、長期出場停止になるような危険なプレー、意図的なラフプレーも、当時は当然のようにおこなわれていた。50年代や60年代までイングランド人にとって、《週末にサッカーをしに行く》ことは、対戦相手の脚を蹴りにいくことと同義だった。あるイギリス人記者は、70年代に入ってからも『イングランドでおこなわれているのはフットボールではなくファイトボールだ』と批判した。