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過去にペップも「2度目だ!」と激怒…プレミア「VAR損得ランキング」 一番の被害者はどこ?
posted2021/01/26 17:01
text by
三重野翔大Shodai Mieno
photograph by
Getty Images
「僕はただ普通にフットボールがしたいだけなんだ」
2020年7月にプレミアリーグのトロフィーを掲げたジョーダン・ヘンダーソン(リバプール)がそう口にしたのは、11月に行われた第10節ブライトン戦後のこと。この試合でリバプールはVARで2つのゴールを取り消され、同点に繋がるPKを献上した。VARに翻弄される展開に業を煮やした主将が苦言を呈するのも当然のことだ。
Video Assistant Referee――。
その名の通り、試合の判定に関する決定権を持つ主審を、ビデオを用いて「アシスト」する役割だ。しかし19-20シーズンより導入したプレミアリーグにおいては、たびたびアシスタントの範疇を超えてくる。
このVAR、日本にとっても他人事ではなく、2021シーズンからはJリーグでも再導入される。それに先立ち日本版『DAZN』では現在、普段Jリーグの試合判定について議論する番組「ジャッジリプレイ」で、プレミアリーグのVARにまつわる事象を取り扱っている。VARの運用方法や判定の正当性がたびたび見出しになるプレミアリーグは、このような番組にはもってこいなのだ。
「VARネタ」でメディアが騒ぐのが恒例行事
さて、プレミアリーグはようやく折り返しを迎えた。開幕ダッシュに失敗したマンチェスター勢が怒涛の追い上げを見せてワンツー(1位ユナイテッド、2位シティ)。その一方で年末年始に大ブレーキのリバプールが、首位から4位まで転げ落ちた。9位チェルシー、11位アーセナルといまいち振るわないビッグ・ロンドンに好調レスター、エバートンと、今プレミアリーグは久々の混戦模様だ。
そして導入初年度の昨季に続き、今季のVARも疑問符が並ぶ判定の連続だ。試合の一部を取り上げては「VARは正しかったのか?」「なぜVARを使わなかった?」などとメディアが騒ぐ姿は、今や毎週の恒例行事になった。
そのひとつひとつを振り返ればキリがないのだが、シンプルにVARで一番損をしているクラブ、得をしているクラブはどこなのだろうか。米『ESPN』が集計しているプレミアリーグのVAR判定データをもとに、VARによって覆された判定のうち自チームに有利/不利に働いた回数をまとめてみた(“VAR有利・不利ランキング表”は関連記事からもご覧になれます)。