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なぜMLBで“菅野智之人気”は急騰しているのか 10球団争奪戦で本命はヤンキース? 対抗は?
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph byHideki Sugiyama
posted2020/12/25 17:02
ポスティング・システムによるメジャー移籍を目指す菅野智之。今シーズンは13連勝を含む14勝2敗で最多勝を獲得し、セ・リーグMVPにも輝いた
オーナー側からすれば、20年シーズン同様の無観客試合での開催となれば、2年連続での大幅赤字になることは火を見るよりも明らかだ。存続の危機に陥る球団が生まれる可能性もある。有観客試合の実現こそが、来季通常開催への最大の焦点であり、そのためにはワクチンの確実な有効性と供給が必須となってくる。
再び巡ってきた2度目の大きな選択
今のところ、MLB機構は2月中旬からの春キャンプと162試合の通常開催をアナウンスはしているが、新型コロウイルスの脅威とワクチン問題の先行きは不透明だ。この状況で菅野は1月8日までに夢を追いかけるのか、それとも現実に目を向けるのか、その判断を求められる事になる。実にタフな決断である。
思い起こせば22歳の秋。彼は日本ハムのドラフト1位指名を拒否し、浪人という茨の道を選択した。そこにあったのは『夢』であり、初志を貫いた彼は翌年の巨人入りへと繋げた。強い精神力無くして出来たことではない。
あれから9年。再び巡ってきた自身2度目の大きな選択。コロナ禍で生まれた問題は自身ではコントロールできないことは承知の上で諦めきれずに残したメジャーリーガーへの夢。彼はどんな決断を下すのだろうか。
コロナがなければ……。そんな思いにもかられるが、これが彼に課せられた命題だと信じ、その決断を尊重したい。