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なぜMLBで“菅野智之人気”は急騰しているのか 10球団争奪戦で本命はヤンキース? 対抗は?
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph byHideki Sugiyama
posted2020/12/25 17:02
ポスティング・システムによるメジャー移籍を目指す菅野智之。今シーズンは13連勝を含む14勝2敗で最多勝を獲得し、セ・リーグMVPにも輝いた
「試合後のクラブハウスではスガノとセンガ(千賀滉大、2回、2安打、5奪三振)の話で持ちきりだったよ。対戦した打者のみんなが口を揃えて『2人ともすぐにメジャーのローテーションで中心的な役割を担える。間違いなくエース級として通用する』と言っていたよ。球威、制球、変化球の質、どれをとってもvery impressive(とても印象的)。今すぐメジャーに来ればいいのに」
スカウトの評価だけでなく、実際に打席にたったメジャーリーガーの生の声。これほど確かなスカウティングリポートはない。菅野人気が高騰している理由である。
21年シーズンMLBの開幕は5月との報道も
交渉期限は米国東部時間の21年1月7日午後5時(日本時間8日午前7時)。年内決着を希望している菅野だが、交渉ごとは期限ギリギリまで続くのが常でもある。
ある代理人はあくまでも個人的な考えであると前置きした上で、本命にヤンキース、対抗にメッツ、大穴にはエンゼルスとパドレスの名を挙げた。
31歳の右腕は今、メジャーで間違いなくトップランクの評価を得ている。彼には世界最高峰のメジャーリーグで投げる夢を是非とも叶えて欲しいものだが、その一方で米国の新型コロナウイルス感染拡大の脅威は増すばかりだ。21年シーズンは果たして通常通りに行えるのだろうか。
菅野は60試合制で行われた20年シーズンのように通常とは程遠い環境となった場合、巨人残留も選択肢に残すと言う。だが、交渉期限である1月8日までにそれを判断できる関係者はどこにもいない。12月中旬から米国内ではワクチン接種が始まったものの、真の有効性が見えてくるのは少なくとも春先になってからになる。
そんな折り、全国紙「USA TODAY」は一部のオーナーが「開幕は5月以降、162試合の実施は困難」と発言した記事を掲載した。