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なぜMLBで“菅野智之人気”は急騰しているのか 10球団争奪戦で本命はヤンキース? 対抗は?
posted2020/12/25 17:02
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph by
Hideki Sugiyama
2020年シーズンは無観客試合を強いられ、各球団とも経営赤字が急増した。ただでさえ、近年はFA市場の動きがスローであるのに、このオフはさらにその動きに拍車がかかっている。現状は寒々しい限りだ。
12月中旬にオンラインで行われた全30球団の監督会見でもブルワーズのクレイグ・カウンセル監督がこんな言葉を残した。
「今年の移籍市場の動きは例年よりスローだね。それでも我々はその動きに合わせていくしかないんだ。毎年のことだけどね」
そんなオフシーズンでありながら、巨人からポスティング・システムでメジャー移籍を目指す菅野智之投手の周囲だけは実にホットな情報が飛び交っている。
ヤンキース、レッドソックス、ブルージェイズ、マリナーズ、エンゼルス、レンジャーズのア・リーグ6球団に加え、ナ・リーグもメッツ、ドジャース、パドレス、ジャイアンツの4球団が代理人と密にコンタクトを取り合っていると聞く。10球団争奪戦の様相なのである。
現役メジャーリーガーも菅野に高評価
コロナ下の停滞したストーブリーグでありながら、なぜ菅野人気は急騰し続けるのか。その背景にあるのは、17年3月に行われたWBC準決勝米国戦で見せた快投であることは間違いない。
メジャーのレギュラー選手を集め、悲願の初優勝を飾った米国チーム相手に6回を3安打、6奪三振、1失点の快投。マウンドを支配したその投球に米国チームは敬服していた。18年MVPに輝いたクリスチャン・イエリチ(現ブルワーズ)は大会直後、興奮冷めやらぬ表情でこんな話をしてくれた。