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石川祐希「刺激をもらっている」代表エースも期待する19歳高橋藍の魅力はうますぎるサーブレシーブ
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2020/12/26 11:02
高橋を擁する日体大は全日本インカレでは決勝に進出したものの、早大に敗れて準優勝。日本代表では次世代エースとして期待が懸かる
日本代表に選出、石川から受けた刺激
春高バレーの約2カ月後に発表された今年度の日本代表メンバーに初めて選出され、3月の代表合宿に初招集された。新型コロナウイルスの感染拡大により合宿は一旦解散されたが、6月下旬に高橋と新井雄大(東海大学)、大塚達宣(早稲田大学)の大学生3人と、石川、古賀太一郎(FC東京)の5人による少人数合宿から徐々に再開された。
8月2日に行われた紅白戦では、高橋は、石川とアウトサイドの対角を組んだ。公式戦ではないとはいえ、夢の1つを実現し、ハツラツとプレーした。
約1カ月半、石川とともに過ごして多くの刺激を受けた。あらためて驚かされたのが意識の高さだったという。
「練習中だけじゃなく、体のケアや食事の面でも怠らない。食事もトレーニングの一環として、体のコンディションを考えながら食べたりしていたので、本当に、バレーだけじゃなく普段の生活からアスリートとしての意識を持たなきゃいけないなと感じました。自分が考えていた“意識が高い”のレベルを100としたら、石川選手の場合はそれを超えて120ぐらいだった。自分ももっと上を見ないといけないなと思いました」
何より、石川を見ていて感じたのは「バレーボールを楽しんでいるな」ということだったと言う。
「発想がすごいんです。フェイクセット(スパイクを打つと見せかけてトスを上げる)だったり、日本になかったプレーを取り入れている人。それは世界に行って学んできたものもあるかもしれませんが、あの人自身の発想もすごい。もっとバレーを楽しんで、いろいろ自分らしいプレーを見つけないとな、と思いました」
「サーブレシーブはトップクラス」
一方で、高橋藍が代表に与えた衝撃も大きかった。
同じアウトサイドの福澤達哉(パリ・バレー)は、「単純にすごい。うまい。自分が10代の頃と比べると雲泥の差。僕から見ても、これからの日本はすごく強くなるだろうなって期待を持たせてくれるような選手ですし、すごくいい刺激になっている。(東京)オリンピックに出るためには、自分はもっと成長しないといけない、自分がここで立ち止まって速度を緩めたら、簡単に追い抜かれるだろうなという危機感があります」と語っていた。
特に高橋が評価されているのは、サーブレシーブ力だ。
日本代表の中垣内祐一監督は、「サーブレシーブはもうチームでトップクラス。石川と同じぐらいで、高校を出たばかりとは思えない」と絶賛していた。
石川も、「僕自身も刺激をもらっている。切磋琢磨してお互いにいいところを盗みあっていきたい。非常にサーブレシーブがいい選手で、かたちがすごくきれいなので、そこを盗めるんじゃないかなと思っています」と話していた。
高橋は中学時代、リベロを務めていたことがあり、サーブレシーブについては「ずっとやってきていて、そこからスパイカーに転向したので、それは本当に今、自分の一番の武器」と自信とこだわりを持っている。