バレーボールPRESSBACK NUMBER
西田有志が明かした世界ユースでの挫折…早稲田大4年宮浦健人との“再会”に「競争が過激になることは楽しみ」
posted2021/01/03 11:01
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph by
Naoki Nishimura/AFLO SPORT
2020年は新型コロナウイルスの影響でバレーボール界も多くの大会が中止になったが、その中で行われた国内のトップカテゴリーの2つの決勝、2月に行われた2019-20 V.LEAGUEファイナルと12月の天皇杯を、男子で両方制したのはジェイテクトSTINGSだった。
そしてその原動力となったのが、日本代表のオポジットでもある20歳の西田有志である。
12月20日に行われた天皇杯決勝は、2月のVリーグファイナルと同じパナソニックパンサーズとの顔合わせとなった。
ポーランド代表クビアクとのマッチアップ
第1セット序盤、西田の1本目のサーブが、低い弾道でパナソニックを襲った。得点にはつながらなかったが、この日の爆発を予感させた。11-11の場面で二度目のサーブが回ってくると、サイドラインぎわに強烈なサーブを打ち込み2連続エースを奪い、チームに流れを引き寄せた。スパイクでも、高い打点から幅広いコースに打ち分け得点を重ねていった。
前衛ではポーランド代表のミハウ・クビアクとマッチアップする場面が多かったが、経験豊富なテクニシャンとの駆け引きさえも楽しんでいるかのようで、珍しくクビアクがミスを出す場面もあった。
「技術というところで、自分はまだクビアク選手に勝てていないので、そこは諦めがついていて、(クビアクに対する)ブロックについては、ディフェンスを信じて、クビアク選手の引き出しの1つを自分が担当する、という考え方でやりました。無理に追うと利用されて点数を取られるので。
自分がスパイクを打つ時には、『たぶんこっちにフェイクを入れて跳んでくるだろうな』と考えたり、しっかりと冷静に今日はバレーボールを展開できました」
そう振り返った西田は57.7%という高いスパイク決定率を残し、サーブ、ブロックと合わせて37得点を奪ってチームを初優勝に導いた。