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石川祐希「刺激をもらっている」代表エースも期待する19歳高橋藍の魅力はうますぎるサーブレシーブ
posted2020/12/26 11:02
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph by
NIKKAN SPORTS
春高バレー優勝校のエースから、東京五輪の日本代表候補へ。この2020年、高橋藍(日本体育大学)の立ち位置と視界は大きく変化した。
今年1月、まだ18歳の高校3年生だった高橋は、京都代表・東山高校のエースとして、日本一を目指し春の高校バレーを戦っていた。
軽やかに跳び上がり、体を鞭のようにしならせて放つスパイクやサーブは、身長188cm、体重72kgの細身の体からは想像できない力強さがあった。その上、打てるコースの幅が広く、軟打も含めて攻撃の選択肢が多い。
その姿は、日本代表のエース石川祐希(ミラノ)の星城高校時代の姿と重なった。それを高橋に伝えると、「よく言われます」と嬉しそうに笑っていた。
石川の恩師・松永コーチの指導
似ているのは偶然ではなかった。石川が中央大学に在籍していた時にバレー部の監督を務めていた松永理生氏が、昨年、母校の東山高のコーチに就任。石川に憧れていた高橋は、松永コーチのもと、石川が大学時代にやっていたトレーニングや練習を取り入れたり、石川の映像を見て真似をした。
それに加えて、教えたくても教えられない大舞台での勝負強さや状況判断力、リーダーシップも備えていた。
春高の大会中、松永コーチはこう言って目を細めていた。
「大舞台でのああいう姿を見ると……どんどん(石川に)近づいていってますね。祐希の次が、近くてよかったですよね。祐希から何年も長く空いてしまうより。日本バレー界のためによかったです」
東山高を春高初優勝に導いた高橋は、当時こう語っていた。
「全日本に入って、オリンピック選手になることがずっと夢です。できれば石川選手の対角に入って、やってみたいなという思いはあります」
東京五輪は?と聞くと、「東京、は厳しいかもしれないです」と苦笑し、「(2024年の)パリ、くらいですかね」と笑っていた。
しかしそこから、高橋は夢の実現に急速に近づくことになる。