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【FAウラ話】裏切りの移籍…新井貴浩「ずっと広島にいたら、カープの魅力がわからなかったかもしれない」
posted2020/12/10 17:02
text by
NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph by
Takuya Sugiyama
<名言1>
FAですよ、FA。すごいです。
(鈴木大地/NumberWeb 2019年11月28日配信)
https://number.bunshun.jp/articles/-/841610
◇解説◇
2013年12月、FAでロッテに入団してきた涌井秀章と対面したときのことだ。あの日、鈴木は涌井が待ち合わせの店に来るや否や深々と頭を下げ、「ロッテの鈴木大地と言います。涌井さん、来季からよろしくお願いいたします」と丁重に挨拶したという。
そんな姿を見た涌井は「そんな丁寧にしなくていいよ」と肩の力を抜くように促したが、鈴木は「いや、ダメです。これからチームメイトになっていただくわけですから」と姿勢を崩さなかった。同席していた唐川侑己が早々に涌井と打ち解ける一方で、憧れの眼差しで見つめ続けたのは、涌井がFAというプロ野球選手として認められた形で迎え入れられることへの敬意だったのだ。
若手、ベテラン問わず信頼が厚い鈴木
6年の時を経て、鈴木にも憧れの「FA」の権利が巡ってきた。それはこれまで積み重ねてきた実績が認められたことを意味している。
真面目で律儀な鈴木は「熱い男」と評されることが多い。2014年には入団3年目ながらキャプテンに任命され、19年は選手会長も務めた。プレーでは若手選手のお手本となり、鈴木の2歳上に当たる元首位打者・角中勝也からは「勝負強さが羨ましい」と絶大な信頼を寄せられる選手に成長した。
鈴木が新天地に選んだのは、高い評価を受けたという楽天。
「東北の皆さんにひとつでも感動するプレーや勇気を与えられるよう、頑張りたい」
入団会見でそう述べたように、今季もロッテ時代から愛着のある「7番」を背負って抜群のリーダーシップを発揮した。