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大物たちの戦力外通告→トライアウト 元セーブ王「今の僕にはこれしか無かった」元首位打者は…
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph byKoji Asakura/Hideki Sugiyama
posted2020/12/06 17:03
今岡誠(左)や小林雅英ら、かつてタイトルを勝ち得た名選手でもトライアウトを経験した選手は多い
<名言3>
必要とされる球団があればどこでもやりたい。
(門倉健/NumberWeb 2012年11月30日配信)
https://number.bunshun.jp/articles/-/309619
◇解説◇
12球団合同トライアウトは以前、一次と二次に分けて開催されていた。大物選手が参加するのは他球団からのオファーや入団テストを待つケースが多い一次で、二次は独立リーグや社会人、韓国や台湾などの海外チームの関係者が多く、NPB入りの可能性が激減すると見られて“敬遠”されていたという。
そんな中で2012年の二次トライアウトに参加した1人が、門倉だった。落差のあるフォークを武器に計4度の2ケタ勝利をマークし、横浜時代の2005年には最多奪三振(177個)のタイトルも獲得した。
中日、近鉄、横浜、巨人、そして韓国リーグを渡り歩いた門倉だが、実は一風変わったプロセスでトライアウトに挑んでいる。
この年の開幕前、門倉は楽天と日本ハムの入団テストを受けており、どちらも不合格となっている。その後北海道のクラブチームに所属し、JR北海道の補強選手として都市対抗野球のマウンドに立ったのち、二次トライアウトに挑んだのだ。
「社会人として過ごしたこの1年は、自分にとってすごく勉強にもなりましたし、いい経験にもなりました」
このように語った門倉は、本番のトライアウトで打者5人に対して無安打、1四球。3つの空振り三振を奪った。最終的にはオファーは届かず、この日が現役としてのラストピッチングとなったが、本人は投球内容に納得だったようだ。
「15年以上、プロで野球を続けてきて、自分の持ち味であるフォークで3つも三振を取れたのはよかったです」