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オシムが1984年に指摘した「マラドーナの弱点」とは? 小野伸二、イブラ様…天才が語る天才10番論
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph by Takao Yamada/Kazuhito Yamada
posted2020/12/03 17:04
天才ディエゴ・マラドーナについて、オシムが1980年代に語った言葉は傾聴に値する
<名言3>
ロナウドはこれまでに僕が戦った中で2番目に手強い選手だ。あのディエゴに次いで僕を苦しめたプレーヤー、それがロナウドなんだよ。
(パオロ・マルディーニ/Number672号 2007年2月16日発売)
◇解説◇
ミランとアズーリの最終ラインを長年にわたって統率してきたマルディーニ。セリエAやチャンピオンズリーグ、W杯やEUROで世界各国のアタッカーたちとマッチアップしてきた。この言葉は2007年、ミランに加入したロナウドについて記者に問われた際の言葉である。
1990年代後半、ロナウドはその恐るべきスピードと決定力を武器に、バルセロナやインテルで得点を量産した。ヒザのケガによってプレースタイルを変えたとはいえ“フェノメノ(怪物)”と称された男の実力を、マルディーニも認めている。
その比較対象として名を挙げたのは、マルディーニが若き日に対戦した「ナポリのディエゴ・マラドーナ」だった。あれほど圧倒的だったロナウドですら“2位”に格付けするほど、マラドーナのインパクトは強烈だったのだ。
ただ、聡明なマルディーニはロナウドへのリスペクトとともに、当時38歳となっていた自らをこうも律していた。
「ディエゴに次ぐ選手が、一度は失った尊厳を取り戻すために新たな戦いを始めようとしている。その姿に影響を受けない者なんていないさ。僕はこれまで、どんなFWを前にしても、常にDFとしての責務を果たしてきた。チームメイトであろうが敵であろうが、その考えは変わらない。練習で僕は彼を封じるための努力を怠らず、そうすることで彼に協力しながら、同時に自らを高めていくんだ」