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オシムが1984年に指摘した「マラドーナの弱点」とは? 小野伸二、イブラ様…天才が語る天才10番論
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph by Takao Yamada/Kazuhito Yamada
posted2020/12/03 17:04
天才ディエゴ・マラドーナについて、オシムが1980年代に語った言葉は傾聴に値する
<名言2>
イブラヒモビッチは作ることはできない。マラドーナを作ろうと思っても誰にも作れないように。
(ズラタン・イブラヒモビッチ/Number851号 2014年4月10日発売)
◇解説◇
2014年当時のイブラヒモビッチは、30代を迎えても微塵も衰えを感じさせないパワフルさでゴールを奪い、PSGにタイトルをもたらし続けていた。唯我独尊の彼に対して、“新たなイブラヒモビッチ”は、いつかどこかで生まれるのだろうかと記者が質問。するとイブラヒモビッチはマラドーナの名前を引き合いに出しつつ、それをきっぱりと否定した。
そして“本当の名手”がチームにもたらす効能を、こうも説明している。
「尊敬する選手たち、“フェノメノ”ロナウドやジダンは何でもできて、そしてエレガントだった。ジダンと一緒にプレーすると、周りの平凡な選手たちまでもが発想豊かになっていた。それこそがジダンの素晴らしさだ。彼はチーム全体に影響を与えることができる。これが本当にいい選手と、そうでない選手の差だ」
イブラヒモビッチは当時「もはや22歳の肉体じゃないが、年を追うごとに経験や知恵がついてくる」とも語っていた。年齢を重ねるほど味方を生かす喜びを覚えていくのはマラドーナらも通った道で、今のイブラヒモビッチも味わい深いプレーを見せてくれる。
そんなベテランの味を出しつつ、2020-21シーズンのセリエAで6試合10得点を挙げて得点ランキング首位に立つ“イブラ様”。やはり恐るべきストライカーである。