フランス・フットボール通信BACK NUMBER
マラドーナに聞いた「“伝説”として崇められることをどう思いますか?」【生前最後のインタビュー】
posted2020/11/30 11:03
text by
フローラン・トルシュFlorent Torchut
photograph by
David Cannon/Getty Images
FF10月28日発売号の目玉として掲載された、フローラン・トルシュ記者による独占インタビュー。恐らくはマラドーナの生前最後のロングインタビューとなった。マラドーナが語っていた、“伝説”と崇められることへの思いとは――。(全2回の2回目/#1から続く)
(田村修一)
マラドーナが選ぶ“抜きん出てる選手”とは?
――1995年まではヨーロッパ地域以外の選手はバロンドールの選考対象ではありませんでした。範囲を拡大した(ヨーロッパのクラブに所属するすべての選手が対象)その年に、FF誌はあなたに名誉バロンドールを贈りました。それはあなたにとって意味はありましたか?
「もちろんだ! それまでわれわれ南米の選手には、あのトロフィーを獲得するチャンスはまったくなかった。そうでなければ僕も、少なくとも一度は獲っていただろう。それは間違いないし、もっとずっと多かったかも知れない。だが、その後、FF誌は僕に名誉トロフィーを贈ってくれた。それはそれで嬉しかった……」
――今日の選手では誰にときめきますか?
「メッシとクリスティアーノ(・ロナウド)、あるいはクリスティアーノとメッシ……。僕が見るに2人は他から抜きんでている。誰も彼らには近づき得ない。誰1人として彼らがおこなった半分も実現していない」
――キリアン・ムバッペはどうですか。どこに位置しますか?
「ファンタスティックだがまだまだ子供だ! 成長を続けるために、もっともっと試合を重ねたくさんの大会を経験する必要がある。それから足首を破壊する危険のあるディフェンダーにはくれぐれも注意する。僕はそれで痛い目にあったから……(バルセロナ時代の1983年9月24日、アスレティック・ビルバオのアンドニ・ゴイコエチェアのタックルを受けたマラドーナは、左膝腱を負傷し長期離脱を余儀なくされた。一方、重傷を負わせたゴイコエチェアは、《マラドーナを壊した男》として一躍世界にその名を馳せた)。とはいえ、彼のスピードには目を見張るし、ボールタッチにも独特のものがある」
最強ベストイレブン「中盤はシャビ、モドリッチで……」
――今年、FF誌はバロンドールを選出しない代わりにドリームチーム(史上最強イレブン)を選びます。あなたにとっての歴史上最高イレブンはどんな構成ですか?