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「自分自身のプレーが、自分の人生を決めていく」20歳日本代表・菅原由勢が語る“覚悟と危機感”
text by
了戒美子Yoshiko Ryokai
photograph byJFA
posted2020/11/27 06:00
次世代を担う戦力として森保ジャパンに招集された菅原由勢だが、出場時間はわずか5分にとどまった
「友達から連絡きたりというのはあったんですけど、無観客でもあったし、海外での試合というのもあって、実感が湧いていないというのが正直なところでした。でも、チームの人たちがしっかり祝ってくれたのでA代表というのは大きいことなんだなーと。大きな一歩を踏み出したんだなということをチームからの祝福を受けた時に感じましたね」
とはいえ、祝福を受ければ受けるほど、短い出場時間だったことへの悔しさは募る。
「ちょっとしか試合に出られなかったのは僕の実力不足でしかないです。もっと試合に出て活躍できていれば、間違いなく僕の名前がスタートのメンバーにあったと思います。もちろん酒井宏樹選手や室屋成選手という大きな壁は存在しますけど、やっぱりそれよりもまずは自分がどういう選手であるべきか、ならなきゃいけないかっていうところが、一番大事なことなんだと考えさせられました。そこにもっと重点をおいてメンタル的にも準備していかなきゃいけないし、自分の力のなさを痛感した期間でもありました」
出場できない原因は他者との力関係ではなく、あくまで自分自身にある――。まずは自分の実力を向上させる必要があるが、その上で、代表でもポジションを奪う覚悟を強くしていた。
「先発したいという気持ちがないなら、日本代表にいる価値がないと思います。日本代表って誰しもがプレーしたい、憧れる場所であるはず。だからベンチに座ってるだけで満足してる選手なんて一人もいないと思うんですよ」
日本代表のために戦って勝ってこそ
また、森保の招集意図も理解しつつ、語気を強める。
「僕の今回(10月)の招集のなかで“将来につながる”だとか、“いい経験をしてもらいたい”という意図はわかってますし、僕の中でそれが必要なことだというのはわかってます。だけど、選ばれた以上は納得できるプレーをしなきゃいけない。日本代表のために戦って勝ってこそ、日本代表の一員だと思うんです。年齢的に見たら、(久保以外で)僕が一番若いってなるかもしれないですけど、だからこそ、強く競争意識を持って代表に入らなきゃいけないなと」
競争意識を強く持ち、11月の代表合宿にも臨んだはず。だが、結果的に全く試合出場は叶わず、悔しい気持ちを抱えながらクラブでの日々に戻っているはずだ。